暁 〜小説投稿サイト〜
フェイト・イミテーション ~異世界に集う英雄たち〜
ゼロの使い魔編
第一章 土くれのフーケ
想起
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振るうが、放った爆発はゴーレムの胴体をわずかに崩す程度に終わる。それでもルイズは諦める様子はなく、その場に立ち尽くす。そこへ架が物凄い速度で飛んできた。

「ルイズ何をやっている!死ぬ気か!?」

 架の声を聞いたルイズはキッっと真剣な目をゴーレムに向け、そして言い放った。

「私は貴族よっ!貴族っていうのは、魔法が使えるものを呼ぶんじゃない!!敵に背中を見せないものを貴族というのよっ!!」
「ッ!!」

 ルイズの決然たる態度に、架は一瞬息をのんだ。しかし、ばっとゴーレムを見やるとゴーレムはその巨大な拳をルイズに振り下ろそうとしているところだった。
 咄嗟にルイズを抱え跳躍する。僅かに遅れてルイズたちがいた場所にズズンッとゴーレムの拳が振り下ろされた。一発で地面に小さなクレーターのようなものができる。もし当たれば一撃でお陀仏だったが、架がサーヴァントだったからこそ何とか躱すことが出来たのだ。
 ゴーレムからある程度距離をとった所に着地し、そっとルイズを降ろす。ルイズは「あ、ありが・・・」と言おうとするが、「この馬鹿がっ!!」という架の珍しく怒った声に口を噤んだ。

「貴族だ平民だなんて関係あるかっ!死んだらそこで終わりだろうがっ!!」
「ッ!!」

 架の厳しい言葉にルイズは目を伏せた。やがてプルプルと肩を震わしながら、「だって・・・だって・・・。」と声が聞こえてきた。

「わたし、悔しくて・・・いつも、みんなにバカにされて・・・それで、それに、カケルにも・・・」
「俺が?何だって?」

 ルイズの顔を覗き込むように若干声を落ち着かせて架は尋ねた。いつしかルイズは顔を赤くして目からは涙を流していた。

「カケルにも、認めてもらいたくて・・・わたしが、わたしがあなたのマスターだって・・・カケルが、わたしの使い魔だって、ちゃんと言えるようにって・・・」
「・・・・・。」

 もはや嗚咽まじりになりながら独白するルイズを架は黙って見つめていた。
 一度は元気を取り戻したものの、やはりルイズにとってサーヴァントのマスターになるということが重しになっていたのであろう。こんな自分がサーヴァントなどという特別な存在を扱えるのだろうか?普段から一生懸命努力をしているのに、一度も魔法を成功させていない自分が?周りからは才能がないと馬鹿にされている自分が?本当にできるの?怖い!
 今のルイズ決定的に足りないもの・・・それは『自信』だった。
 だが、もう架の答えは決まっている。そのことをルイズに伝えようとするが、

「カケルッ!危ない!!」
「!!」

 キュルケの声を聞いて後ろを振り返ると、いつの間にか距離を詰めたゴーレムが再び拳を振り上げていた。
 くそっ、油断していた!架は最大限の手加減をしながらルイズ
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