27話:SPEC〜凶〜 弐
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殺すことも可能だ」
なるほど、と式は相槌を打ち、そしてある一点を見た。
「とすると犯人はあいつか」
瞬間、式が動いた。
袖の中に仕込まれていた自殺志願の偽者だったものの片割れを、投げた。もはやただのナイフとなったそれはまっすぐに隠れていた者へと飛んでいき、そしてガサッと竹の葉を掻き分ける音を立てて消えた。
ナイフが見えなくなってすぐに、一人の人間が自身の隠れていた竹を粉砕した後出てきた。
「ぎゃはは。気づかれちまってたかぁ」
出てきたのは、奇妙な男―――
「いや、女か」
「ああ!? 何言ってんだよ僕は男だよ」
と、セーラー服を着た彼は即座に言い返した。
式はふと、その様子に今は亡きもう一人の自分である識を連想する。が、すぐに消えた。
(‥‥‥ぜんぜん似てないじゃないか)
「で、これはお前の仕業か?」
「いや、これは僕の仕業じゃあない。僕は爆弾なんか使わない」
下手人であるドナルド・マクドナルドは既に逃げていた。
式と話している彼もしくは彼女、匂宮出夢は単に爆発が気になってこの場に駆け付けただけだ。そして式が出夢を疑ったように出夢も式と瀬文を爆発の原因と疑っていたのだ。
「殺し合いには乗ってるのか?」
「やる気はねーな。殺戮の時間は一時間て決めてんだ。下らねえことに費やすつもりなんてねえよ」
「‥‥‥そうか。ならすまなかったな。いきなり攻撃して」
「ぎゃはは。おねーさんとは殺し合っても良かったんだけどなぁ」
「オレはお断りだ」
直死の魔眼で出夢を見据えながら、式は言った。その目は殺意に溢れているとかそんな次元ではなく、まさに死そのものを見ているかのように感じられた。少なくとも幾度となく零崎一賊の鬼子と殺し合った出夢はそれが正しい認識なのだろうと思っていた。
「お前からは、なんだかオレと似たような雰囲気を感じる」
「は?」
それはどういう意味だ、と問おうとしたときにいい加減蚊帳の外に耐えきれなくなった瀬文が会話を横切った。
「‥‥そんな話はいい。お前の素性は気になるが今は情報交換が先だ」
「おいおい空気読めよ〜オッサン」
ぼやきつつも出夢は穴の淵に座って情報交換を始めるのだった。
二人の元多重人格の女は、まるでそれが決まっていたかのように出逢った。
【匂宮出夢@人間シリーズ】
[状態]:健康
[装備]:
[道具]:支給品一式、ランダム支給品二つ
[思考・状況]
基本思考:とりあえずおねーさん(両儀式)についていく
1:人識と会うのも良いかもしれない
2:おにーさん(戯言遣い)とは合流しておくか
【両儀式@空の境界】
[状態]:健康
[装備]:無銘@戯言シリーズ、自殺志願(偽)の片割れを袖の中に
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