『千年夢想』−millennium a fancy−
parallelworld 1 −『全知全能』−
[2/2]
[8]前話 [9]前 最初 [1]後書き [2]次話
れを持つ者こそが、タツの嫌う3人だ。
先程話にも出た、存在しない存在。《アスリウ・シェイド・マイソロジー》。
《白亜宮》の頂点に君臨する、アスリウをも従える絶対的な王、《主》。
そして、全ての嘘を真実に、全ての真実を嘘に、総ての世界を無に帰す必殺の力を持った存在。
彼女のマスターでもある、《アルヴァート・ルーク・マレイド》。
彼らこそ、タツの最も嫌う三柱だ。
「貴方には、どちらにしろ従って頂きます。貴方のご友人にも協力して頂きたいので、貴方はご友人に事情の説明をお願いします。ああ、『もう喋っていいですよ』」
「……ふざけないで下さい。僕が本気で従うとでも……!」
「ならばこう言えば良いですか?《貴方の協力が無ければ、文字通り全世界が終わる》と」
その言葉は、冷徹に下された。
「貴方も薄々感じている事でしょう。もうすぐ世界が終わる。マヤの予言は現実のものとなり、世界は消え失せ、再構築される。貴方という存在も消え、貴方の友人も皆死ぬでしょう。
一度破滅が始まってしまえば、こればっかりはあのお三方でも抗いようがありません。
しかし、マスターも《お兄様》も、この終焉を受け入れる気は無いようですね」
「……僕が信じると?」
「信じる信じない以前に、貴方は自分で気付いている。貴方も、マスターやシェイド様を超える前に滅びるのは不本意でしょう」
「その終焉を消し去ればいい話」
「そんな事がすぐに出来ていれば、とっくにマスターがやっています。その為の時間稼ぎなのですから……益々あの時と似ていますね」
クスクスと笑い、その少女……グリーア・イクス・アギオンス・イクセシスは背を向けた。
「それでは、よろしく頼みますよ」
突如、少女の体が闇に飲み込まれ、消えた。
「……はあ、また同じ事になるのか」
タツは頭痛を堪えるように頭を抑え、大きな溜息を吐いた。
世界転生まで、あと72時間。
《滅びの依り代》の完成まで、あと70時間。
[8]前話 [9]前 最初 [1]後書き [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ