74章 TRUE LOVE ( ほんとうの愛 ) PART 2
[1/3]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
74章 TRUE LOVE ( ほんとうの愛 ) PART 2
3月15日、日曜日。一日中、春を感じられる、おだやかな晴天であった。
「しん(信)ちゃん、きょうのお昼は、利奈ちゃんが、はりきって、
なすとベーコンのトマトパスタを作ってくれたのよ」
リビングに入った信也に、美結が笑顔でそういった。
「それは、それは。利奈ちゃんも、美結ちゃんも、料理が上手だから、
おいらは幸せですよ。あっははは」
そういって、信也が、檜のローリビングテーブル(座卓)に落ち着いた。
「わたしが来たために、しんちゃんは、このマンションにいられなくなってしまって、
なんか、申しわけない感じがするんだけど、わたし」
キッチンで料理をつくっている利奈が、そういって、信也を見た。
「そんなことないって。おれは新しいマンション、気に入っているんだし。
利奈ちゃんは、ここで、美結ちゃんと仲よく暮らせば、おれもうれしいんだから。あっはっは」
「ありがとう、しんちゃん」と、利奈は微笑んだ。
川口信也が、今まで暮らしていたこのマンション、レスト下北沢では、
二人の妹の、美結と利奈の二人の生活が始まっていた。
信也は、結局、このレスト下北沢から、歩いて2分という近さにあるマンション、
ハイム代沢で、ひとり暮らしを始めている。
それは、大沢詩織との生活のためにのと、去年の12月に、新しく借りたマンションでもあった。
ハイム代沢は、防音設備のある音楽マンションで、信也も気に入っている。
1つの部屋とキッチンと、バスルームに洗面所、南側には洗濯物も干せるベランダがある、
1Kの間取りであった。駐車場はないが、このレスト下北沢から、歩いて2分なので、
駐車場は新たに必要ではなかった。
「あとで、できたばかりの歌を、聴いてもらいたいんだけど、聴いてくれるかな」
「しんちゃん、すごい。また歌ができたんだ。聴かせて!」
そういって、利奈が、素直な瞳を輝かせた。
「クラッシュ・ビートのセカンド・アルバムのタイトルは、
しんちゃんの作った歌の『TRUE LOVE』なんでしょう?」
信也のテーブルの向かいの美結の隣に座る、利奈がそういった。
「うん、きょう作った歌は、その『TRUE LOVE PART 2』なんですよ」
「わたしも、しんちゃんみたいに、歌が作れるようになれたらいいなぁ」
「だいじょうぶよ。利奈ちゃんは、小学校ではピアノが1番上手だったんだし、
その素質は、十分あるはずよ。きっと、しんちゃんみたいな、ミュージシャンになるのも、
夢じゃないわよ。だから、あきらめないでね!うっふふ」
美結はそう
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ