飛行訓練
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ルフォイと喧嘩する口実を虎視眈々と探していたようだ。ちなみにマルフォイと仲が良くも悪くもないクレスは面白そうにそれを見物していた。
しかしマクゴナガル先生がいざこざを目ざとく見つけサッと現れた。
「どうしたんですか?」
「先生、マルフォイが僕の『思いだし玉』を取ったんです」
「見てただけですよ」
マルフォイはしかめっ面ですばやく玉をテーブルに戻し、クラッブとゴイルを従えてスルリと逃げた。
その日の午後三時半、グリフィンドール生達は初めての飛行訓練を受けるため、正面階段から校庭へと急いだ。
スリザリン寮生は既に到着していて、20本の箒が地面に整然と並べられていた。足元にある箒は「シューティングスター」。速そうなのは名前だけであることで有名な箒だ。それだけならまだしも事故率も半端無く高い。その名の通り撃ち落された流れ星のように墜落する者が続出しクレームが殺到、生産メーカーが倒産してしまっていたほどである。
しばらくすると担当教官であるマダム・フーチが現れて生徒達の前に立った。短く切りそろえた白髪に鷹のような黄色い目が特徴的だ(鷹のような、と言ってもクレスほど鋭くはないが)。
彼女は到着早々生徒達に対して怒鳴り散らす。
「何をボヤボヤしているんですか! 皆箒の側に立って。さあ早く」
慌てて生徒達は箒の側にスタンバイした。
「右手を箒の上に突き出して、そして『上がれ』と言う!」
マダム・フーチの言葉に合わせて全員が「上がれ!」と叫ぶ。ハリーやマルフォイやクレスはすぐ飛び上がり手に収まったが、飛び上がった箒は少なかった。
全員が何とか箒を手にした後、マダム・フーチは箒の正しい乗り方をレクチャーし、生徒達の列を回って握り方を直していく(実は野球のピッチングフォームと同じで、これが絶対正しい!と言う握りかたはないのだが)。
それが終わればいよいよ飛行訓練開始だ。
「さあ、私が笛を吹いたら、地面を強く蹴ってください。箒はぐらつかないように押さえ、2メートルくらい浮上して、それから少し前屈みになってすぐに降りて来て下さい。
ではいきますよ。1、2の……」
ところが、マダム・フーチが笛を吹くよりも早くネビルが奇声をあげて飛び上がった。おそらくは緊張感やら皆に置いて行かれたくないのやら恐怖やらでパニックを起こしてしまったのだろう。
「こら、戻ってきなさい!」
それで戻ってこれるのなら苦労はしない。ネビルはそのままペットボトルロケットのようにどんどん上昇していき、そのまま急降下して地面にダイブした。
マダム・フーチは真っ青な顔になってネビルに駆け寄った。どうやら手首が折れているらしい。災難と言うべきか、よくその程度で済んだなと言うべきか。
「さあさ
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