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101番目の舶ィ語
第十話。超えた限界。勇気の在り方……
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ってしまう。
俺は咄嗟にその場を回転すると音央を繋ぐ手とは別の手で、その手の腕を一瞬だけ銃弾と同じ速度で引きつつ……あとはそっと、弾を掴んだ。

「______熱いな、このカイロは」

握っていた銃弾を地面に捨てながらそう呟く。

______銃弾掴み(ゼロ)

腕に全身運動技・桜花の逆技、橘花をかけ、引いてから回転をかける。
普通なら手に弾丸の力がかかるが『ハーフロア』として覚醒しているおかげか、弾丸の力は残らずに普通に掴めた。
腕自体が発生させた運動エネルギーは、『秋水』を使い、逆技にする事で打ち消した。だから足元には若干、俺がズリ下がった跡が残った。
その結果______
傍目には、単に飛んできた弾を掴んで止めたように見えた筈だ。
音央にはもちろん、俺にも怪我はない。
これは、鬼の一味。『閻』が使う、『パッと来たから、グッで受け止める』力任せなデタラメ技と似ているが違う。

この技は、弾の運動エネルギーをゼロにする技だ。


『うわあ! 今の音は銃声??
大丈夫なの?』

「ああ。平気だよ。これくらい」

キリカにそう告げて音央の手を引いて走り出す。
連続で撃ってくると思ったが、どうやら単発式らしい。
逃げるのなら今だ!

『ノイズ音も聞こえたけどラジオか何かかな?』

「うん。なんか村人が某ホラー映画や某ゲームみたいに理性を失って襲ってくるんだけど、それを察知して知らせてくれるんだ」

『なるほどなるほど。それは大事に持っててね、モンジ君。音央ちゃんが持っているのかな?
とにかく大事にね』

「ラジオは大事に持ってろ、だってさっ」

「わ、解ったわっ!」

音央の手を左手で握り、右手に持つDフォンでキリカと会話する。

『ラジオっていう媒体は、よく電波とか周波数が混成するでしょ?
その混成かきっかけで異世界に繋がるー、みたいな都市伝説って多いの。ほら、死んだ人の声が聞こえてくる、みたいな都市伝説もあるからね。つまり、ラジオはそういうものを招き易いの』

右手側から聞こえてくるキリカのオカルト講義に納得する。
そういう逸話とかがあるのなら、このラジオも死者の何かを察知しているのかもしれないな。

「今、俺達を追いかけているのはその死人だ。
朱井詞乃という少女が『人喰い村』のロアで、彼女によって村人はゾンビみたいになっているんだ」

『シノちゃん、ね……他に情報は……』

「あー、実は……」

俺はこの村に入ってから体験した事や出会った人物、起きた現象を簡単に掻い摘んで説明した。

「他には、タッくんやミーちゃんっていう子がいるんだけど、目が黒塗りなの。
真っ黒に塗り潰されているわ!」

横から音央が口を出して、Dフォンの先にい
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