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IF物語 ベルセルク編 銀河英雄伝説〜新たなる潮流(エーリッヒ・ヴァレンシュタイン伝)
第二十二話 崩壊への序曲
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グラム侯の部下達を戦場で破っている。これではローエングラム侯から心が離れますよ。少し鮮やか過ぎるな」
ヤンの言葉にパトリチェフが“なるほど”と相槌を打った。
「エーリッヒ・ヴァレンシュタイン、ですな」
バグダッシュの言葉にヤンが頷いた。エーリッヒ・ヴァレンシュタイン、ここ最近良く聞く名前だ。貴族連合軍で主力部隊を率いる提督だという事だが……。
「知っているのかな、中佐」
「同盟では余り知られていませんが帝国ではブラウンシュバイク公の腹心としてかなり有名な男です。まだ二十代の前半ですが大将の地位に有ります」
ローエングラム侯程ではないが出世は早い。平民で大将、ブラウンシュバイク公の後ろ盾が有ったのだろう。恩返しというわけだ。
「内乱前、何度かブラウンシュバイク公が戦場に出ていますがそれに同行しています。公の上げた武勲に関わっているという事でしょう」
皆が顔を見合わせた。近年ブラウンシュバイク公が戦場で上げた功績は決して小さくない。その事を考えたのだろう。
「ローエングラム侯が敗れれば一安心、そういう訳には行かないようだな」
「キャゼルヌ少将、私はむしろヴァレンシュタイン大将の方が手強いと思いますね。彼の謀才は侮れません、油断するとローエングラム侯のように滅茶苦茶にされますよ。部下から離脱者が出ているという報告も情報部にはフェザーン経由で届いています」
彼方此方から溜息が聞こえた。昨年同盟軍を粉砕したローエングラム侯が部下に離脱されるまでに追い込まれている。
「部下が離脱か……、ローエングラム侯を斃したとして問題はその後だな。ブラウンシュバイク公とリッテンハイム侯、何処まで協力体制を維持出来るか。今は盤石に見えるが敵が居なくなれば……、場合によっては新たな内乱が起きるかもしれない」
ヤンの言葉に皆が顔を見合わせた。新たな内乱、意表を突かれたのだろう。
帝国の混乱はまだまだ続くのかもしれない。同盟にとって帝国の混乱は有難い事だ。今回の内乱で同盟は少ない戦力をさらに失う事になった。出来れば或る程度の戦力の回復が出来るまでは混乱して欲しいものだが……。
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