第19話 She is Rana Linchen 3
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転校生か、何かかな?」
ここで彼女の元に行ったら、面倒ごとに巻き込まれる。そう思い、俺は方向転換しようとしたのだが……
「ようやく人を見つけたであります??これでもう迷わないで済むでありますよ??」
あえなく捕まった。早い!走るのすげえ早い!三十メートルを一秒で詰めてきたぞ!
「ちょっ、苦しいんだけどー!」
俺は謎の女性に抱きしめられながら、絶叫をあげたのであった。
で、現在。学園の食堂で謎の女性。ラナ・リンチェンにおごらされていた。
「よく食うな…いや、良いんだけどね。タダだし。」
「いえいえ。タダでも、本当にありがとうございますでありますよ。私、この学園に来て優しくされたのなんて初めてであります。」
……もしかしたら、見つけたのが俺で良かったのかもしれない。違う人だったら……うん、なんか色んな意味で危なかった気がする。
「で?ラナ…さんは何しにこんな人外の動物園みたいな所に?」
「呼び捨てでいいでありますよ〜。って、あれ?ここって動物園なのでありますか?」
「あ、いや……一種の比喩みたいな感じで流してくれれば……」
天然か?天然だな。田舎の人なのだろう。冗談が通じないというか、なんだかなぁ……
「で、ラナはなんでこの学園に?」
「……実はですね。」
ラナがフォークを置いて、徐に話し始める。
「私の運命の人を見つけに来たのでありますよ。」
「そ、そうなんだ……」
そうきたか……
うんめい?随分とメルヘンチックと言うか……なんというか……
「じゃあ、その運命の人の名前は?」
「わかりません。」
「…顔は?」
「わかりません。」
「……年齢は?」
「わかりません。」
「………どこにいるの?」
「わかりません。」
どうやって見つけんだよそんなの??
もはや某名探偵に出てくる犯人だろうが??
「だから、私はこの学園に来たのであります。」
「接続詞がおかしくないか??」
やべえ、すごい疲れた……って、あれ?ちょっと待て?
「やべえ??約束まですぐじゃねえか??」
ガタリと席を立ち、俺は先輩の部屋へと走ろうとする。
「あ、優しい方??」
「悪い、本当に急用があるんだ!」
「せめてお名前を!」
ラナの律儀な正確に、少し苦笑いしながらも、俺は答える。
「カズト。アオイ・カズトだよ。」
そう言って、俺は走り去る。
目指すはサテライザー先輩の部屋だ??
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