第19話 She is Rana Linchen 3
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初部屋入り。パンドラがリミッターと中を深めるための、いわばご褒美のようなものだ。それは、ウエストだけでなくどこのゼネティックスでも伝統的に行われている行為だ。
「分かった?アオイくん。」
「ああ、ありがとヒイラギさん。」
サテライザー先輩から、その初部屋入りに招待された俺は、その意味をヒイラギさんとアーサーに説明してもらっていた。
「でも意外ねぇ。サテライザー先輩、そんな伝統とか守とは思えないのに。」
「お前らなぁ……あ、そういえば、アーサーの初部屋入りはどうだったんだ?」
アーサーにはガネッサ先輩がいる。それなら、少しは知っているかと思ったのだが……
「いやぁそれがさ、途中までは記憶あるんだけど、ご飯食べた後すぐに寝ちゃったみたいで……」
ーヘタレか……
と思ったのは俺だけではないはずだ。ヒイラギさんも、なんだか呆れた顔してるし。
「っと、そろそろ時間だから俺行ってくるよ。」
「はいはい。せめて死なないようにね。」
死なねえよ、と軽口を叩きながら俺は先輩の部屋へと向かっていった。
一方その頃のサテライザーは……………
「こっちの方がいいかな…?いや、やっぱりこっち…?」
自室の鏡で、今夜の初部屋入り時に着る服を選ぶのに、悪戦苦闘を強いられていたのであった。
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サテライザー先輩との約束にはまだ時間が少しあった。
だから、俺はふらりと学園内を散策して時間を潰していた。潰していた筈なのに…………
「いやぁ、本当に助かったであります!あ、これ美味しいでありますね!」
「そうかい、そいつは良かった…」
なんでこうなったんだろうなぁ??
原因は数十分前。さっきも言った通り学園内を散策していただけだった。
だが、思考は他のもとへと向いている。
あの夢のことだ。小鬼の言った事がどうしても気になる。
ーパンドラを殲滅しろ。
その台詞が頭から離れない。何故あんな夢を見てしまったのだろうか?
破壊願望があるわけではない。ましてや、敵でもない先輩たちを殺そうとなんてことも思ってない。
「なんだかなぁ……って感じだな…」
額に手を当てて溜息をつく。本当に、俺はどうしたのだろう?
「……ん?あれ誰だ?」
ふと立ち止まると、学園の案内板とにらめっこしている女性が目に入った。
浅黒い肌に、少し青みがかったロングヘア。サテライザー先輩のようにキチンと手入れされているわけでは無いが、どこか野生的な魅力のある女性だった。
服装からして、学園関係者ではまずないだろう。まるでどこかの民族衣装のような物を身にまとい、背中には巨大…と言っても差し支えないくらい大きなリュックが背負われていた。
「
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