俺は愛せる? 幻想郷...
式神の力ってすげぇ...
第十七話 シリアスは突然に
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縁側に座って、ちょっぴり肌寒い風を感じながら空を見てお茶を啜る
なんの木だろうか、風と一緒に運ばれる木の香りが鼻を擽るのだ
その木の香りと同時に香る、甘い香り。ふわりと感じさせられる甘い香り.... シャンプー? 言わば、女の子の甘い匂いと言ったところか
って、そんな茶番は良いんだよ
「魔理沙...ちょっと、離れてくれないか?」
「イヤだぜ」
「動き辛いのだよ」
「座ってるだけだぜ?」
「いや、まぁ確かに座ってるだけだけど」
「くっつくぜ」
俺が縁側に座ってくつろいで居るのを良いことに、後ろからチョップしてきたり、耳元で息を吹きかけたりとちょっかいを出してくるのだ。挙げ句の果てに抱き着いてきやがる
そう、甘い匂いとは魔理沙のことだ...
確かに、俺も男だ
女の子に後ろから抱き着かれたら嬉しいさ。嬉しい以外に何があるってんだ。良い匂いするしよ。俺は一体何を言っているんだ
よく、好きな人にはちょっかいを出すと言うが
「魔理沙お前俺のこと好きなのか?」
「なっ! いきなり何を言うんだぜ!?」
この通りだ
「で、でも、好きじゃないとは言ってないぜ?」
「好きでもないんだろ?」
そう聞くと、魔理沙は黙りこけてしまったので、立ち上がってわざと魔理沙の頭に手をのせ、湯呑みを片付けに霊夢の元へ行った
「魔理沙ってホント不思議な奴だな」
洗い物をしている霊夢の隣に立ち、なんとなく手伝いながら言う
「私にして見れば十分、あなたも不思議よ」
「付け加える。霊夢も不思議な奴だな」
「自分でも不思議よ、生まれつき空が飛べて、変な玉が飛ばせて、巫女? 妖怪退治よ」
親とかは?
名前とかは?
聞く寸前まで、喉まで出かかっていたけど、勇気がなかったのか。言わなかった
「まぁ、あの玉を使ってやるゲームは私が考えたんだけどね。通称、弾幕ごっこ」
愛想笑いをして、慣れた手つきでお皿を片付けながら霊夢は続ける
「私が任された、巫女のお仕事、妖怪退治。妖怪は人間を襲い、人間はそれを恐れて回っているのよ。私はその妖怪を退治する、そう、退治するのよ」
意味有り気に、訴えかけるように、繰り返し、退治すると繰り返す
「それって偉いことじゃないのか? 人間達はそんな巫女を大事な存在だと思うんじゃないか?」
お皿を拭く霊夢の手が止まった
ポタリポタリと、蛇口から垂れる水の音だけが俺の耳に伝わる
何かまずいことを言ってしまったのだろうか
「長くなるけど、聞く?」
固唾を飲み
こくりと頷く
「....弾幕ごっこのことを説明するから、オマケ話だと思って聞いて」
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