“食欲”の食い違い、“彼ら”のネタバレ
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私欲を優先して害意を誘発した、銀髪ロリコン変態科学者だと思う。
如何取り繕おうとも、原因の一端を担ったのは確かだ。
そんなテイルブルーの殺気にも負けず、未だ跪いていたクラーケギルディは徐に立ち上がり、両手を目いっぱい広げる。
「プリンセスよッ! 我が嘘偽りなき思いの強さ! しかと目に焼き付けてくだされい!!」
叫びと共にクラーケギルディの鎧がはじけ飛び……否、鎧を形成していたらしい触手を表し四方八方に広げた。
クラーケンの名を冠するだけあってちゃんと触手も持っていたらしいが、これでは伝説の化け物は勿論、烏賊どころか海の生物でも無い、鳥類であるクジャクの求婚法だ。
すると、先程までやる気、もとい殺るき満々だったテイルブルーが急にしおらしくなり、体を抱いて震えはじめる。
「どうですか! 貧乳のプリンセスよっ!」
「い、いやあああああああああああぁぁぁぁぁぁぁ!? 触手!? 触手ううううっ!?」
そして触手が再び動いたのを見て、金切り声にも似た悲鳴を上げた。
いきなり何だとテイルレッドが驚愕の表情を向けるが、テイルブルーはそちらに顔を向ける余裕もない様で、怯え震えながら一歩一歩下がっていく。
どうも彼女はうねうね系が苦手だったらしい。思わぬ弱点である。
オクトパギルディとジェリーフィッシュギルディを気持ち悪がらなかったのは、彼等も触手を鎧状にしていた為だったようだが、その所為でか窮地中の窮地で発覚してしまったのだ。
尤も、相手であるクラーケギルディは責めること無く迫るだけであるが。
「何故怯えるのです姫! 私は剣など振るってはいない! これは我が愛の証明! 最上級たる求婚の儀に他ならないのですぞ!」
「しょしょしょ触手に告白されたプロポーズされたぁぁぁぁ!? こんなのいやあああああぁぁぁっ!!」
すっかり戦意喪失してしまっているテイルブルーを見て、無理やりにでも割り込んでかばいながら闘うべきかと悩み始めた……その時。
「だらあっ!!」
「うっ! ごはああぁっ!」
「む? ぬおおぉおおぉ!?」
横からすっ飛んできた何かがクラーケギルディを巻き込んで無理矢理テイルブルーから彼を遠ざけた。
依然として触手が蠢いておりテイルブルーは戦意を回復できないものの、一応の気休めにはなるであろう。
自身の全てを掛けた求婚を阻害されたからか、三度クラーケギルディは怒りを湛えて何か……ではなくその何かを飛ばして来た者を睨みつけた。
「おのれおのれおのれぇっ! 好敵手との決着、そして我が愛をも妨げるか! 暴食の獣グラトニィィィ!!」
「……あぐっ」
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