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寄生捕喰者とツインテール
“食欲”の食い違い、“彼ら”のネタバレ
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くださりませぬか、我が姫よ!!」
「そ、そんな事言われてもこ、困る……」



 声だけはイケメンであり、なおかつここまで素直に賛辞を述べられたのは久しぶりだったのか、どうする事も出来ずにテイルブルーは唯右往左往している。

 途中、テイルレッドがトゥアールらしき人物と会話していたが、如何でもいい話だったのか途中からテイルレッド自身が無視していた。


 その戸惑っているさまにクラーケギルディはもう一押し必要だと見たか、声高に見惚れたであろう理由叫んだ。



「素晴らしき貧乳をもつ、天上且つ至高の姫君よっ!!」
「……は?」



 場の空気が凍りつき、そういえばクラーケギルディが此処に来たばかり際そんな事言っていたと全員が思い出した頃にはテイルブルーの困惑もすっかり収まり、代わりにドス黒い殺気が立ち込めていた。

 更に追い打ちをかける様に、止せばいいのにトゥアールが笑いを隠さず、テイルブルーへと罵倒としか取れない台詞を投げかける。


『なるほどなるほど! 愛香さんは成長しているのに貧乳だからこれ以上成長する事もないと見抜かれて、彼のお眼鏡にかなったのかもしれませんね! 良かったですねえ愛香さん! 徐々に貧乳属性が芽生えている証拠と、声だけはイケメンの彼氏が手に入りますよ! うぷぷぷぷ……』

「トゥアール、シャワー浴びておいて貰ってもいい?」

『れれ? やだなぁ愛香さんたら? 幾ら今日限りで縁遠くなるからって、そんな踏み込んだスキンシップは――――』

「なるべくさ、綺麗なまま逝きたいでしょう? ……ねぇ、トゥアール?」

『………そそそそそそそそそ総二さまあああああああっ!? 早くその蛮族をやっつけちゃってください! 未曾有の危機にさらされますうっ!!』

「いや、俺だって相手したくないし……それにエレメリアンいるし……」

『そんなのグラトニーちゃんが食べてくれま―――ってこのやり取り、前にもした様な……』



 前にも一度あった事ならば何故に同じ過ちを繰り返すのだろうか。

 揚げ足を取ったり他人を扱き下ろす衝動が我慢できないならば、せめて空気を読む術ぐらいは身につけるべきである。

 何もかもふっきれたといった表情でテイルブルーは肩をまわして伸びをし、グラトニーの一撃の所為か、彼女の殺気のお陰か、少し距離が遠くなったギャラリーの面々を見渡して呟いた。



「あー、何だか如何でもよくなってきちゃった。ここら辺の物すべて吹き飛ばしたり壊しちゃっても保険聞くかな?」
「物騒な事言ってんじゃねぇよ!? 人道的にやっちゃいけねぇよ!」


 至極恐ろしげな事をのたまうテイルブルーではあるが、此処で責めるべきは寧ろ彼女では無く、周りの事も慮らずに
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