“食欲”の食い違い、“彼ら”のネタバレ
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で消えているように見えるのは所謂一種の “不思議空間” 中に入ってしまっているからであり、瞬時にワープできない要因もそれが絡んでいるの為なのだとか。
そんな豆知識を教えられても余り興味がないといった風情で流したのは余談である。
グラトニーの視界内に居るエレメリアンは三体であり、どれも脚が幾本もある海の軟体動物の姿を模している者たちであった。
中でも烏賊の姿をしたエレメリアンは力が濃く、幹部クラスであろう事が予想できる。
右足に空気を取り込み一気に一体目を弾き飛ばそうとした時、待っていたかのようにエレメリアンが声高に叫ぶ。
「この摩天楼を行く貧乳のツインテールよ! その極上の貧乳はおらぬのか!」
「クラーケギルディ様の言うとおり!」
「我らはツインテールに次ぐ至上の属性たる貧乳を求めねばならぬのだぁ!」
概ね何時も通りだとグラトニーが呆れた事で一呼吸程遅れたが……そのお陰か所為か、この後やってきた者達に巻き込まれずに済んだ。
それは、余りの発言に驚いたか力が抜けたか、気を付け状態で地面を削りながら滑走していくツインテイルズに、である。
段々と地面に沈んで行き、最後は頭がすべて埋まった状態で止まった。
……此処までが冒頭で説明した状態につながる経緯、という訳である。
行き過ぎた変態発言など日常茶飯事であろうにそんなオーバーリアクションをした事を、グラトニーは多少煩わしく思ったか眉をひそめ、中に居るラースは爆笑していた。
そんな彼らの心情などつゆ知らず、勢いよくほぼ同時に頭を引っこ抜いたツインテイルズの内、矢鱈乳の属性に拘っていたテイルブルーがウンザリした声色と叫んでいるでも呟いているでも無い奇妙な音量で文句を口にする。
「なんで……なんで此処の所乳の事ばっかに拘る奴が現れんのよ……!? しかも今度は貧乳って……!!」
「そんな事言われても知らねえよ、俺」
尤もな発言をしたテイルレッドの声で気が付いたか、烏賊エレメリアンとその部下であろう軟体動物エレメリアン二体が、嫌にゆっくりとした動作でツインテイルズとグラトニーの方を向くと、軟体動物モチーフに似合わぬ腕を上げて指差した。
「おお! 現れたかテイルレッドよ! 既に完成された美しさを持つそなたと相まみえるこの日を楽しみにして―――」
「“風砲暴”」
「いるんでっぐおおおおおおおおぉぉぉっ!!」
「「クラーケギルディ様―――っ!?」」
また此方も何時ものように最初から話など聞く気が無いグラトニーが、台詞途中で隙だらけであった烏賊エレメリアン……部下の発言から名前がクラーケギルディと分かったその怪人を吹っ
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