空白期 中学編 08 「小鴉と王様」
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ョウのことを……待て待て、落ち着くのだ。ユーリにはまだ恋というものは早いであろう。仕事で会えぬことが増えたから、会えるときにはオシャレをしようと考えておるだけで。
いや、これではショウに褒めてもらいたいみたいではないか。となると、やはり小鴉の言っていることが真実……
「ぐぬぬ……ならん、ならんぞ! ユーリにはまだ早い!」
「王様、ユーリには早いってわたしらとそう歳は変わらんやろ。今時は小学生でも彼氏彼女の関係にあるらしいし……ユーリにはユーリの人生があるんや。あまり干渉したりするんはよくないんと違う? 内心煙たがっとるかもしれへんで」
な……んだと!?
ユ、ユーリが我のことを……いや、そんなはずはない。我とユーリは昔から苦楽を共にしてきた間柄なのだぞ。我に向けてくれていた笑顔は、心の底から嬉しいと思ってくれていると分かるものだった。まさかあの笑顔の裏では、我に対して……
「……そこを含めて確かめねばならぬ!」
「いやいや、今はダメやろ! せめてショウくんがおらんところでせな。少し落ち着き王様!」
「これでも充分に落ち着いておるわ! というか、貴様はなぜそうも呑気に構えていられるのだ。心配ではないのか!」
「え、いや、まあ……あっちよりも今の王様のほうが心配やけど」
このうつけは……仮にユーリがあやつのことを好きだとして、このまま時が流れれば付き合うことになるのかもしれんのだぞ。あやつもユーリのことは異性としてではないが好いておるのだから。
「えぇい、前から思っておったが貴様はどうしてそうなのだ。貴様はあやつのことが好きなのではないのか。自分と他の者が一緒になってもいいのか!」
「いや、だから……他ん子にも言うてきたけど、わたしとショウくんは家族みたいなもんやから。まあ最低限の意識はしとるから異性として見てないとも言えんけど。こんな風にしとるんは、まあ人並みに恋愛には興味あるからな。弟分が誰とどうなるか気になるんよ」
そう言う子鴉の顔は笑っておる。だがこやつは本心を上手く隠すことができる奴だ。付き合い始めて今年で3年ほどにもなる。内心の全ては分からぬとも、心の底から笑っておるかくらいは分かる。
こやつは我に素直ではないと言う……だが、それはこやつも同じではないのか。だから我は時折無性に苛立ちを覚えるのではないのか。自分もできておらぬのに他人に言うでないと。
自然と我の右腕は動き、小鴉の顔の横を通った。自販機を叩くような真似をしてしまったが、今は気にしている時ではない。
「……まさか王様から壁ドンをされるとは思わんかった」
「小鴉……」
「は、はい……王様、こういうんはなのはちゃんとフェイトちゃんの特権やと思うんやけどな。さすがのわたしもそっちの趣味はないし……というか、王様ちょっと怖
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