第2話Aパート『天使の眼孔』
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きだ。
もう一回やれと言われても、まったく自信は無い。
「シンクロ率に変動は?」
初号機の動きに目を奪われることなくリツコがオペレータに確認する。しかし、変化は無いとの回答。
確認したあらゆるパイロット・データに異常は見られない。
直前に考えたので、パワーアシストがかかっていることに思い至った。だが、どうやって――?
初号機は転倒した使徒を上から踏みつける。
威力のある蹴りを放つにはある程度の訓練が必要。殴るのも、経験がものを言う。だが、ただ踏みつけるなら、誰にでもできる。
踵に体重と勢いをのせて、使徒の仮面様の部分を何度も踏みつける。
パキリっと仮面にヒビが入るその寸前、使徒から至近距離で反撃の光線が放たれる。
発令所で悲鳴があがる。しかし――
「無傷?一体何が…」
傷ひとつない、初号機の姿があった。
オペレータの一人が直前の映像に光量の補正をかけてスロー再生すると。
光線が発したその瞬間初号機の眼前に、透明な壁が現れる。それは光線を完全に弾いていた。
「ATフィールドでは、無いわね」
特徴的な紅い色もなく、MAGIもその可能性を否定した。
「…?、内部電源が消耗しています!」
オペレータの一人が気付いて声を上げたことで、リツコにも理解できた。
電力を消費して、電磁波による障壁を張ったのだろう。
「そんな機能があったの?」
リツコが口にした推測に、ミサトが聞き返すが。――勿論、そんな機能をつけた記憶も記録も、ない。
「一か八かでしたが…何とかうまくいったのですよー。
でも、今はそんなことよりっ」
ウィル子の声に、彼女の仕業だったと分かった。
ヒデオは初号機の肩上に設置されたウェポンラックを開かせた。中から一振りの短刀が姿を現す。
足を掴もうとする使徒の手をゴリッと踏み砕いておいてから、短刀の柄を握る。
やはり、これだけ密着していればATフィールドはうまく張れないようだ。特に使徒自身が攻撃を仕掛けようとしている最中は。攻撃と同時にはATフィールドを使っていない。
ごくりと唾を飲み込む。あたりまえだが料理をする場合を除いて、現代日本で生き物に刃物を突き立てた経験がある者は少ないだろう。ヒデオにもそんな経験はない。生きた魚を捌いた経験すら、ない。
『使徒の弱点と考えられるのは、胴体中央に見える赤い球体。我々はそれを核と呼んでいるわ。使徒の無限に近いエネルギーを供給し、使徒の身体の損壊を再生する器官よ』
トドメを刺す。その意図を察したリツコが努めて事務的に告げる。
コア、それ以外をどれほど破壊しようとも、無限に再生し、無限にエネルギーを供給するというのであれば。
完全な勝利はコアの破壊。それ
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