第2話Aパート『天使の眼孔』
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学にあがると不良に目をつけられるようになったが、それを避ける術を身につけ、
高校生になった頃には、彼の見た目に不良も避けて通るようになった。
『ヒデオ君っ、避けてっ』
ミサトに言われるまでもなく、身を低くして横に飛び退る。初号機の頭のあった辺りを使徒の広げた掌が通り過ぎる。
初号機は地面に突いた手も使ってどたばたと距離を取り、ふたたび身構える。
背後にあったビルが粉砕されるのを見て、ヒデオは冷や汗を流す。
こんな調子でいつまでも、
避け続けられる。わけが、ない。
「…残り、90秒っ」
ウィル子に残り時間を再び確認する。…さっき、80秒じゃなかったか。
「予想残り時間はあくまで、参考情報ですっ」
処理の負荷によって速度が変動すれば、容易に変わるものだということ。
いや、1分半とか。無理。
千鳥足状態でふらふらしている初号機の姿に、発令所のメンバーははらはらしながら見つめることしかできない。
「どうにかなんないの、リツコ」
出撃させた以上、発令所側からできることなどあまりない。
リツコの答えもそのとおりのものだった。
そう答えつつも、リツコは対策を考えていた。
問題は彼のシンクロ率の低さ。そこから来る初号機の運動性の低さに、動きは緩慢にならざるを得ない。
彼の反射神経は、先程の攻撃を避けた反応からもそれなりに期待できるものであることが分かる。
であれば、運動性さえ向上させられれば。
実は、エヴァンゲリオンには、その体を覆う特殊装甲内に運動機関を内蔵している。
電力をエネルギー源に、関節各部を外部からの操作で曲げたり伸ばしたり、関節をロックして一定の状態で固定したり。
一種のパワーアシストシステム、いうなれば、パワードスーツのようなものだ。
ヒデオがケージで見たとおり、エヴァンゲリオンは直立不動の姿勢で格納されているが、
電力供給も、パイロットの操作もないなら本来、脱力・弛緩しへたり込むような姿を晒すだろう。
平時は関節をロックして立った状態を維持しており、一部を解除して外部から操作すれば、体育座りも再現できる。
それを使って、パイロットの操縦と重ね合わせるように外部からアシストできないかと考えていた。
そしてしかし、実現は難しいとの結論に至った。
コントロールは遠隔で行うことになるだろう。パイロットの動きを予測して、その動きに同調しようとなれば
計算処理はMAGI以外では無理だ。そして、MAGIをしてもタイムラグは避けられない。
何ミリ秒までの誤差なら現実的といえるだろう?
計算に入る前にこの案は、放り捨てた。
しかし、これとほぼ共通する案が実行されることにな
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