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妖精の義兄妹の絆
妖精の義兄妹
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空は青空から鮮やかな橙色に染まりつつあった。
「今日の夕飯何にしましょうか?」
「んー?なんでもいいぞー。」
タクヤは興味なさそうに返事をした。
「作る側にしたらそれが一番困るんだよ。」
横からウェンディがタクヤに言った。
「今日はウェンディたちも久しぶりに食べに来ますか?」
「いいの?」
「多勢で食べた方がおいしいですからね。」
「じゃあお邪魔しようか?シャルル。」
「ウェンディが行くならいいわよ。別にメスネコの料理を食べたいとかじゃないから。」
シャルルは素っ気ない態度をとっているがほか三人は慣れた対応で受け流した。
「それじゃあ材料を買いにいきましょうか。」
「あっ。オレ寄るところあるから先に行くな。」

タッタッタッ

「ちょっと!!お兄ちゃん!!!」
そう言い残してタクヤは一人先に行ってしまった。
「ったく、勝手ね。」
「…。」






















「お。ちょうどいいとこあるじゃん。」
タクヤは森を歩き開けた場所を見つけた。目の前には大きな滝がある。
「よし…。」
タクヤは滝に向き合い魔力を集中する。次第にタクヤの周りに不規則な風が吹く。
「水竜の…咆哮ォォォ!!!!」

ザバァァァァン

タクヤは滝に咆哮を放った。滝は咆哮の水で激しく弾けた。その衝撃でその場に雨が降った。
「…がっ。」

ガクッ

タクヤは地面に膝をついた。
「ハァ…ハァ…。」
息を切らしてしばらく動けなかった。体が思うように動かない。
「ハァ…ハァ…フゥー…。」
「お兄ちゃん!!!」
するとそこにウェンディがやって来た。すぐさまタクヤに治癒魔法を施す。
「ウェンディ…!!どうしてここに。」
「お兄ちゃんの帰りが遅いから探してたらこっちで大きな音がして、それで…。」
「そうか…もうそんな時間か。」
空を見上げれば日は沈み、辺りは真っ暗になっていた。
「お兄ちゃん…まだ体が…。」
「…あぁ。まだ魔力が戻りきってないらしいな。」
ウェンディが治癒魔法をやめた。どうやら体力は回復したらしい。タクヤにゆっくり立ち上がった。
「さんきゅーな。」
「あんまり無茶しないでね。」
「わかってるって。さっ!帰ろうぜ。腹減っちまったよ。」
タクヤはそう言って森の中を歩き出した。ウェンディもその後をついていく。
(「早く…早く強くなんねーと…。まだオレは…。」)
タクヤは心の中でそう思いながら次第に早歩きになっていった。



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