第十六話***名にかけてーーーー
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の魔力を失った為に全身の筋力が低下しているんです。しばらく安静にしていれば少しずつですが回復しますよ……無理しないでください。取り合えず体を回復させるのが先です」
「その坊主の言う通りだよ」
デザートピンクの髪の老婆が入ってきた。
「ポーリュシカさん!!?」
「何でここに」
妖精の尻尾の顧問薬剤師、ポーリュシカである。
「一度に大量の魔力を?」
「一体……」
「よく……思い出せないけど……黒い動物のような……うう……」
何とか記憶を引き出したウェンディは、少しの言葉を紡ぎ、うめいた。
「無理、しないでください」
布団の中でウェンディは手を握る。
筋力が低下し、少し力をこめても激痛が走るのに、ぐっと手を握った。
「みんな…ごめ……せっかく……修行…したのに…私……出られなくて…」
ウェンディは双眸に涙を溜めた。
脇で話を聞く皆、表情を歪める。
「エルフマンさん……私の代わりにお願いします」
エルフマンは決意を込めて、言葉を紡いだ。
「おう!!まかせておけ」
ポーリュシカはセブンを除いた六人と一匹を叩き出す。
「さぁ、出ていきな。今は安静にしてなきゃダメなんだ」
一人叩き出されなかったセブンは
「あれ?オレは……」
と呟く。
「この薬、あんたが作ったものだろう。よく出来てるし、薬草の選び方も考えてある……一回手にかけた患者は最後まで診てやりたいだろう?」
「あ……ありがとうございます」
ポーリュシカの言う通り、一回手にかけた患者は最後まで診たいと思っていたし、また、腕の良い薬剤師のポーリュシカの手際も近くで見たかったセブンは、素直にお礼を言った。
その横でもう大魔闘演武出場は無理と考えたウェンディはシャルルを抱き、涙を漏らす。
「メソメソするんじゃないよ」
「だって……」
「大魔闘演武は7日間かけて行う祭りです、回復したら本選に出られますよ」
見かねたセブンの一言で涙が止まる。
「坊主の言う通りだ。妖精の尻尾顧問薬剤師の名にかけて必ず直してやるよ」
ウェンディから、笑顔が溢れた。
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