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アクセル・ワールド 〜赤龍帝の拳〜 (更新凍結中)
第六話 心の声 後編
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く、自分の言葉で俺を引き止めた。その目は困惑に満ちている。
「確かに、今朝の私は大人気なかったと思う!」
違うよ。
「でも、私だって人間だ!」
そんなことじゃないんだ。
「不完全な一人の人間の人間なんだ。」
もう、やめてくれ。
「苛立ったり不安になったりもしてしまう。君と、倉島くんを見ていたら……」
「やめろよ…」
「え……?な、なんで……」
終わりにしてしまおう。こんな、不完全な関係は。いい加減、裏切られるのは御免だ。
「結局、俺はお前の子でしかないんだよ。命令されて、従うのがルールだ。
いちいち、そんな感情的な演技されてもキツイんだよ。」
これで、もう絶望なんてしなくて済む。
「お前はただ、俺に命令していらなくなったら狩れば……」
その時だ。頬に鈍い痛みが走る。それは、姫による平手打ちだった。
「バカァ……」
顔をくしゃくしゃにして、その目からは絶え間なく涙を流している。
「バカァ…バカ…………」
何が起きたのか、さっぱり理解できない。ただ理解できるのは、
俺が彼女を泣かしてしまったということだけだった。
そして、突然轟音が鳴り響く。
俺たちは咄嗟に其方へと目を向けた。車だ。この時代には有り得ない、あってはならない現象に、お互いバーストリンクをする。
「いって!」
肉体から弾き出され俺は猫のアバターへ、姫は揚羽蝶のアバターへと変わる。
「このご時世で運転ミスなんてある訳……」
言葉を止めた。そこにいたのは、他校の制服を着たガラの悪い男だった。
だが、見覚えがある。
「知り合いか?」
「いや、知り合いというか……前に壊滅させた不良グループのリーダー…かも…」
よく憶えてないが、結局は単純な話である。
俺のせいだ。俺がいたから、狙われた。
「OK、姫はアウトしたら下がれよ。俺が盾になる。」
「……いや、私が前に出よう。」
アレを使う。と、そう言った。その一言で、何か分かってしまった。
「よせ、やめろ!お前がそんなことしちゃいけない??」
「いいんだよ。それに、死に瀕した今なら、君にも私の言葉を信じてもらえるかもしれない。」
姫は俺に近づき、少し頬を赤めながら言った。
「一誠くん。私は、君が好きです。」
一瞬、時間が止まったような感覚に陥った。あの姫が、俺のことを、好き?
「な、んで俺なんだよ……どうして……俺なんかを……」
譫言のように姫に尋ねると、彼女は少し困ったように答える。
「なんで、か。強いて挙げるなら、強さかな?君に出会った日から、君の強さに惹かれたんだ。
「たった一人でも戦って、大切なものを守る為なら、いくらでも傷ついて。
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