暁 〜小説投稿サイト〜
ハイスクール・DM
16話
[2/3]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
カツキングを前にして何も言えないレイナーレを放置して、四季は十字架に捕われている詩乃の元へと向かう。
 アーシアの神器だけでなく、“あれ”に教えられた未知の神器を宿した少女も捕えたまでは良いが、何故こんな化け物みたいな相手に対峙する破目になったのかと思うも、既にアーシアの神器を抜き取っていた事を思い出した。

(そ。そうよ……この神器があれ……っ!?)

 危険を感じてレイナーレが直感的にその場を飛び退くと、カツキングの振り下ろした刃が遠くはなれた壁まで切断していた。……時間稼ぎでは無く……寧ろ助け出す前にレイナーレを始末する気のカツキングだった。

「ひっ……(な、なんでこんな事に……わ、私は、私は至高の堕天使に……)」

 回復するよりも早く……一瞬で殺される。己とカツキングの間にある実力差は回復能力を持った神器一つで埋まる物ではない事を、その瞬間……レイナーレは嫌でも理解させられてしまった。

 必死にカツキングから生き延びる手段を模索するが、盾にできるであろう部下の一人は先ほど一瞬の内に葬られ、もう一人の『ミッテルト』は此処に良い無い(アザゼルから詩乃に“絶対に”手を出すなと言う連絡を受けた際に、既に手遅れだった事を慌てて報告に行ったため)、数だけは居るはぐれエクソシスト達はクロスファイヤによって次々と葬られている現状……部下を盾にして生き延びる手段は使えない。

 神のシステムで悪魔を滅する事ができるとは言え、クロスファイヤは悪魔では無くアウトレイジ。神を屠る事などシステム等に頼らず己の力のみで可能にしている上級のアウトレイジだ。……はぐれエクソシスト等敵にすらならない。

「あの子から抜き取った『聖母の微笑み』は闇に属する悪魔や、神の加護を失った堕天使をも回復させてくれる。これが有れば私は至高の堕天使になれる! アザゼル様やシェムハザ様に愛していただけるわ!」

 現在、ブルースとジャッキー相手に引き起こされた被害とこれから起こるであろう惨状に、泣きながらアザゼルは心の中でレイナーレの事を罵っている。
 要するに逃げ帰ってもアザゼルからは即座に処刑されるか、四季達に引き渡されるのがオチだったりする。彼女の妄想が適う事など決して有りはしない。

「私を見下していた連中を見返してやれる筈だったのに……っ!?」

 そもそも、レイナーレの行動がグレゴリ本部に起こっている被害の大本に有るのなら、そのレイナーレが今回の一件を引き起こした原因になった見下していた者達も存分に後悔する事だろう。

(何でこんな無茶苦茶な力を持った化け物みたいなドラゴンが……力!? ドラゴン!?)


―あの中に有るのはドラグハート・ウェポンちゅう武器なんや―


 詩乃を狙うに至った“誰か”の言葉がレイナーレの脳裏に浮
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ