―封印・降臨―
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ソーサラーのフィールドには、三体の最上級獣族モンスターが並び立ち、その布陣には亮も、流石は覇王軍の幹部だと感心する。しかし、それよりも重要なのは、その対戦相手である遊矢らしき人物。
「フフハハハ、さあ貴様のターンだ足掻いてみせろ!」
「俺のターン、ドロー」
ご満悦に高笑いをするカオス・ソーサラーのような相手に、一見ただの低ステータスのモンスターである機械戦士たちで逆襲する――それが黒崎遊矢のデュエルだった。アカデミアで亮が見てきた親友のデュエルは、唯一無二の彼だけのデュエルだった。デュエルを見ればそれが黒崎遊矢であるかどうか、どんな格好をしていようが亮には分かる。
――しかし、亮の期待とは裏腹に、遊矢らしき人物の取った行動は予想だにしていなかった。
「儀式魔法《高等儀式術》を発動!」
「儀式魔法……? いや、【機械戦士】じゃないだと……?」
遊矢らしき人物が発動したのは儀式魔法《高等儀式術》。手札の儀式モンスターのレベル分、デッキから通常モンスターを墓地に送ることで、儀式召喚を執り行うことが可能となる汎用儀式魔法。デッキから二枚の通常モンスターを触媒に、フィールドへ儀式モンスターが降臨する。
「降臨せよ、《終焉の王デミス》!」
フィールドに現れていた時空の穴から、二体銀色のバトルアックスを持ち、漆黒の鎧を着込んだ悪魔が立ち上がる。そのまま肩をバトルアックスで叩きながら、カオス・ソーサラーの前にいる三体の獣を睥睨すると、その斧を大きく振り上げる。
「《終焉の王デミス》の効果発動。ライフを2000ポイント払うことで、このカード以外のフィールド上のモンスターを、全て破壊する!」
「なにぃ!?」
遊矢LP4000→2000
《終焉の王デミス》がバトルアックスを地面に叩きつけると、世界を揺るがすほどの衝撃波が発声していき、我が物顔でフィールドを制圧していた獣たちは全て破壊される。伏せてあった一枚のリバースカードは、獣族モンスターの攻撃力を半分、他の獣族モンスターに分け与える罠カード《バーサーキング》。恐らく、妥協召喚して打点の下がった《百獣王ベヒーモス》を相手に攻撃させ、この永続罠で迎撃する腹積もりだったのだろうが……もはや意味はない。
「私の獣族が……全滅……!」
「バトル。《終焉の王デミス》でダイレクトアタック!」
展開しきった三体の最上級獣族モンスターが全て破壊され、驚愕するカオス・ソーサラーに《終焉の王デミス》のバトルアックスが叩き込まれた。カオス・ソーサラーにその一撃を防ぐことは出来ず、あっさりと受けてライフを危険域まで減じさせる。
カオス・ソーサラーLP3000→600
「カードを一枚伏せてターンエンド」
「くっ……貴様! 何故
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