―封印・降臨―
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かわらず、燃え上がっていく。
「な、なんだ……!?」
「俺はフィールド魔法《神縛りの塚》を発動!」
突如として発生した炎にカオス・ソーサラーだったが、遊矢はまるで気にせずにデュエルを進行する。フィールド魔法《神縛りの塚》を発動すると、遊矢の背後には鎖が巻きついた巨大な杭が三本、そびえ立っていた。
「このフィールドでないと、このモンスターは使えない……」
そう言いながら遊矢は、今引いたカードを意味ありげにカオス・ソーサラーへと向ける。さらに木々を焼く業火は強くなっており、森が焼き尽くされるまでそう遠くはない。
その影響はもちろん、そのデュエルを見ていた亮たちにも及んでいた。
「カイザー亮、今のうちに撤退しなくては!」
「くっ……分かった」
猛威を振るい続ける業火の中の戦士ラーズの進言に、亮は苦々しげな表情をしながらも頷いた。ようやく見つけた親友を前に、このままただ見逃すほど亮は薄情ではないが、このままでは業火の巻き添えをくらうことも確かだった。自分単独だったならば迷わず残ったが、今の亮は戦士ラーズたちを指揮する立場であり、エドもオブライエンと合流して待機している。
今の自分の立場として、燃え盛る森の中を脱出する決断をした亮は、最後にもう一度遊矢の方を見て――といっても炎で何も見えなかったが――その森から脱出を果たし、オブライエンがいる反乱軍の城へと向かっていった。
「うわぁぁぁぁぁあ゛ぁあ゛あ!」
――最後に聞いたのはカオス・ソーサラーの断末魔であり、最後に見たのは何もかも消え去った深い森だった。……いや、木どころか草すらもなくなった場所を、もはや森と言っていいものか。
カオス・ソーサラーLP600→0
「そうか……十代以外の者たちは……」
「ああ。覇王軍に捕らわれて消滅した」
そして先んじてオブライエンに合流したエドは、他の仲間たちの居所と顛末を聞いていた。オブライエンから帰ってきた言葉は、とても信じられない言葉であったが。万丈目準、ティラノ剣山、早乙女レイ、天上院吹雪は覇王軍に捕らわれて消滅し、ジムは覇王とデュエルして敗北した。そして覇王の正体も十代であることが確定している、と。
例外として、丸藤翔のみはどこかで生き延びてはいるが、反乱軍に協力する気はない、ということらしい。
「……十代を止めなくてはな」
話し合った結果、やはり今やるべきことは、覇王となった十代を止めること。まずそうしなくては、消滅した仲間たちのことや、ヨハンに遊矢や明日香のことは考えられない。ジムから十代を救うことを託されたオブライエンは、もちろんその意見に反論はない。
「すまない。遅くなった」
そうこうしているうちに陽動を引き受け
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