1部分:第一章
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共にありただならぬものを漂わせていた。道長は彼の顔を見て言うのだった。
「来られたのか」
「はい」
その彼が道長に答えた。
「安倍清明、只今参上しました」
「それでは話はおわかりですな」
「無論」
そこに立ったままこくりと道長の言葉に頷いた。
「立ったままで失礼ですが」
「いや、それは構わぬ」
道長は鷹揚にそれはよしとした。
「それよりもじゃ」
「はい。宇治橋のことですね」
「では。頼めるかな」
「無論です。それこそが我等が陰陽師の為すべきことですから」
清明は淡々とした調子で述べるのだった。断る素振りは全くなく話を最初から受けることを当然だといった様子であった。
「喜んで」
「それではすぐに頼む」
道長はそこまで聞いてあらためて清明に頼んだ。
「橋のことをな」
「わかりました。それでは」
清明は道長の言葉に頷くとその周りに風を漂わせた。そうしてその中にすっと姿を消して何処かに姿を消したのであった。後には何も残ってはいなかった。
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