暁 〜小説投稿サイト〜
流星のロックマン STARDUST BEGINS
憎悪との対峙
41 降りしきる涙の雨
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た。恐怖を感じなかった。怖くて逃げ出したいはずなのに、全く体は止まらなかったんだ...」
「...」
「それどころか全く恐れずにスターダストの力を使って難なく武装した連中を倒していくうちに自信が沸き上がってきた。それと当時に頭の中はValkyrieへの...高垣美緒への怒りも...」
「...そう」

「でもね...僕が何より怖かったのは...そんなふうに変わり果てていく自分だった...今まで殴られれば、ちゃんと痛みを感じて...怖いことに直面したら震えが止まらなかった体が...自分のものじゃなくなっていく...」

彩斗は時々、言葉に詰まりながら話し続けた。
ようやく零れてきた涙を拭いながら。

「人を殴ることも嫌だったのに...全く躊躇う心も無くなってた...平気で何回も...何回も...ねぇ?僕はおかしくなちゃったんだろうか?」
「...大丈夫よ...大丈夫だから...」
「ごめん...女の子に泣きつくなんて...本当に情けないし...」
「いいのよ。今までサイトくんはミヤさんに出会うまでいろんな辛いことを溜め込んできた。もっと...もっと...辛いことも...苦しいことも、誰にだっていい、吐き出して楽になるのも大切なこと。私はサイトくんの味方、サイトくんがどんなに変わっても...」

アイリスは彩斗を抱きしめる。
ミヤが襲われてから、彩斗は誰とも分かち合えない辛い戦いを耐えてきた。
分かち合うことは出来なくても吐き出して楽になることも出来ずに。
いくら必死に悪と戦うために子供の部分を抑えて、平気そうな顔をしていて、内面はごく普通な何処にでもいるような純粋な少年なのだ。
涙が雨のように流れ落ちた。
だがそれと同時に徐々に彩斗の心も落ち着きと安心を取り戻していく。
誰かがちゃんと自分のことを心配して、自分の悲しみや苦しみを理解しようとしてくれる。
それだけで先程と同じように楽になれた。
そして数分が経ち、彩斗は全ての涙を拭うと一度、深呼吸をしてから口を開いた。

「きっと怒りや憎しみで頭がいっぱいになっていたんだと思う...最初にValkyrieの拠点に行った時もそうだった...」
「...でもちゃんと戻ってきた...メリーさんを取り返して...」

「でも...負けた...」

「え?あなたは勝ったわ?あんな勝ち目の無い数の敵と人質が取られている圧倒的な不利な状況で冷静に判断して勝ったのよ...」

「違うよ...確かに僕はValkyrieには勝った。でもね...君も見たはずだよ...僕が高垣美緒を追い詰める様を...」
「!?...」

アイリスは映像の獣が敵を追い詰めるような、あの部分を思い出す。
確かにそれは身動きの取れな
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