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流星のロックマン STARDUST BEGINS
憎悪との対峙
41 降りしきる涙の雨
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完全なムーの人間を再現しているわけではないが、ある程度ならば電波変換にも耐えられるだろう。
しかしスターダスト程の強力なものを操るとなると、それだけでは片付けられない何らかの要素がなければならない。

「特異体質...生まれもってトラッシュとの融合率が高い?」

稀に意識を乗っ取られることのないクインティアやジャック、星河スバル、響ミソラのような人間が存在する。
理由は大きく2種類に分けられる。
生まれもって常人よりも強くムーの因子を受け継いでおり融合時の主従関係において人間の方が上位になる場合か、彩斗のように脳波があらゆるものにシンクロするため一定でない、その電波体との融合率が異常な程高いために電波体の方が飲み込まれる形になるといった定かではない理由で精神を乗っ取ることのできない場合だ。
これらの体質は一部の研究者から総じて『精神不可侵体質』と呼ばれている。
そしてジャックやクインティアは後者に類する特異体質だ。
しかし中には星河スバルのようにどちらの要素も備え、電波変換することで凄まじい能力を発揮する者も存在する。
彩斗も偶然、星河スバルと同様のタイプの特異体質だとすれば納得できないわけでもない。
だがそんなことが偶然にも起こったということに関しては納得できない。
それこそが最大の疑問だ。

「...一体全体、トラッシュ...あなた何者よ?」

ハートレスはそう言ってテーブルの上にあったビジライザーをかけた。
すると向かい側の椅子にハートレスの様子を眺めるように座っているトラッシュの姿がぼんやりと浮かんできた。
狼のような顔と牙、そして爪、鷹のような頭と翼を持った灰色のウィザード。
その姿を一言で言うならば、「キマイラ」とでも言えばいいのだろうか。
少なくとも狼と鷹の要素は持ってはいるものの、ハートレスは地球上の自然に存在する動物で同じような特徴を持った単一の動物を見たことが無い。
強いて言うなら、空想上の動物で言うこところの「グリフォン」が近いと言えば近いのだが。
攻撃的なフォルムに全く変わらない表情、とどめが何も喋らないとなれば全く話が進まない。
これまでの疑問点もトラッシュが喋ることさえ可能なら解決するものばかりだ。

「いい加減何か喋ったらどう?」

『...』

「首を振るなりしてイエスかノーで答えて。彩斗...シンクロナイザーの傷が回復するのは、あなたの力なの?」

『...』

「答えられない?それとも答える気がない?」

『...』

「...そう」

ハートレスの質問にトラッシュは微動だにしなかった。
恐らく他の質問をしても答えないだろう。
ハートレスはこのウィザードは一体何なのかということ
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