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鎧虫戦記-バグレイダース-
第四章 地球編 アジア サウジアラビア
第26話 東南アジアの区切りの意味が理解しがたい
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 むにゅむにゅ

「おーっ、そこそこ育ってんじゃねぇのか?」
「ほ、ホークアイのえっちぃ!」

マリーはジタバタしているが、とても脱出できそうにはなさそうだった。
ホークアイはここぞとばかりに調子に乗って揉みまくっている。
彼女は顔を真っ赤にしてつぶやいた。

「そ、そこは‥‥きょーきんじゃなくて‥‥その‥‥‥‥」

そう言う間にもホークアイは揉むのを止めなかった。
そして、わざとらしい声で訊いた。

「何だ?よく聞こえねぇぞ??」

 むにゅむにゅむにゅ

「う、うぇぇぇぇん!アスラ助けてぇー!!」

マリーは叫んだが、アスラは何かを考えているのか
真剣な顔をしたまま動かなかった。
胸を揉むのをやめてホークアイはアスラを呼んだ。

「おーい、アスラ!このままじゃお姫様がやられちまうぜ?」
「‥‥‥‥‥‥‥‥‥」

しかし、反応はなかった。ホークアイは仕方なくマリーを離した。

「アスラはさっきから何も反応しねーな。
 普段は顔を真っ赤にして止めに来るのにな
 っていでででででででででででででででででででででッ!!」
「ホークアイのばかぁ!!」

 ぎゅうううッ!!

マリーに後ろから両の頬を引っ張られて、ホークアイは叫んだ。
しかし依然、アスラは反応がなかった。

「どうかしたのか?アスラ」

迅はアスラのとなりに座りながら訊いた。

「‥‥‥‥‥ん?うわッ!?いつの間にそこに座ってたんだ!?」
「‥‥‥‥‥お前が気付く前から」

迅は事実を言った。アスラは真剣に何か考え事をしていたようだ。
(声を掛けられても気づかないというのは、さすがに集中しすぎだが)

「そんなんじゃ、後ろからグサッとやられるぞ?」

迅は笑いながら冗談を言った。
しかし、アスラは真剣な顔のまま黙っていた。
そしてようやく口を開いた。

「‥‥‥‥‥‥ずっと疑問だったんだ。
 山を突っ切ったのに、″鎧虫″に鉢合わなかった事が」
「そういえば‥‥‥‥確かに」

ここに来るまでに2時間かかっているが
今日は全く″鎧虫″に会っていない。

「迅、″鎧虫″に長時間合わない時、何って言ってたっけ?」
「何だ、お前忘れたのか?」
「違うよ。信じたくないだけさ」

二人は図ったかのように同時につぶやいた。

「長時間"鎧虫"に接触しなかった場合は
 偶然か、もしくは、″侵略虫″、変異型"鎧虫"の出現である」

そう言い終わると同時にマリーの悲鳴が聞こえた。

「きゃあああぁぁぁぁぁぁぁぁぁあああッ!!」
「な、何だありゃ!?」

目の前の光景に迅とアスラは声を上げた。
普通に生えている樹木の枝がマリーの体を掴んで持ち上げているのだ。

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