暁 〜小説投稿サイト〜
鎧虫戦記-バグレイダース-
第四章 地球編 アジア サウジアラビア
第26話 東南アジアの区切りの意味が理解しがたい
[2/6]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
は菜箸を持っていた。
器の中から美味しそうな匂いが広がっていた。

「うわー、良い匂い♪」

マリーは空気を読まずにそう言った。

「あら?ところで誰なの?この人達」

彼女は菜箸で料理をかき混ぜながら訊いた。
迅が前に出て言った。

「オレ達は″侵略虫″を倒すために世界を渡っている旅人です。
 噂とか流れていませんか?″侵略虫″の天敵が現れたとか」
「んーーっ、訊いてないわねぇ。少なくとも私は」
「俺も訊いてねぇなぁ」

迅の問いに二人は互いに向き合ったまま答えた。
昔ならテレビでニュースが流れていたので簡単に情報が入手できたが
今は情報を遠くに発信する方法がないので、ここまで情報は来ていないようだ。

「そうですか。申し遅れました、オレは迅です。
 後は左から、マリー、アスラ、ホークアイ、リオです」
「いや、俺はリディ二―クだよ!リオはあだ名!」
「そうだったな」

リオさんのツッコみに迅は笑いながら言った。
夫婦も笑いながら、それを見ていた。

「俺はこいつ等を泊めてやりたいけどな」
「私もこの人達ならオッケーよ」

妻からの了承も得たらしく
全員は改めて、ここでお世話になることになった。

「じゃあ、早速手伝ってもらうぜ?
 今回は護衛もいてくれるから仕事がはかどりそうだ」

男は笑顔でついてくるように促しながら言った。
全員はとりあえず男について行った。



    **********



「お?おーい、ヨセフ!遅かったな!」

遠くから男が大きく手を振っていた。
アスラ達を泊めてくれた男はヨセフと言うようだ。

「おーすまねぇな、ハビブ!つーか、まだ時間じゃねぇだろ」
「お前いつも俺より早いじゃねぇかよ。
 ん、そっちの奴ら誰だ?見ない顔だが‥‥‥」

ハビブがそう訊いてきたので、ヨセフは簡潔に紹介した。

「へー、護衛係か。よろしく頼むぜ!」
「うん!」

マリーは頭に手を置かれて元気よく返事をした。

「ここの“油”は結構、貴重だからな」
「あぶら?」

マリーは首をかしげた。
他のみんなも知らないようだった。

「“油”っていうのは、特殊な製法で作られた精油の事さ。
 精油ってのは、香水や昆虫の忌避剤として使われるものだ。
 それを数十倍に濃縮して作り出された“エッセンシャルオイル”が
 ″鎧虫″にも効くってもんだから、いろいろ使われてんのさ。
 金属の表面に塗っていれば、文字通りの虫除けにもなる」

ハビブは誇らしげに答えた。

「その油が″侵略虫″に狙われているから守ってほしいと」
「そう言うことさ。理解が早くて助かるぜ」

ホークアイがそう確認するとハビブはうなずいた。

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2025 肥前のポチ