第四章 地球編 アジア サウジアラビア
第26話 東南アジアの区切りの意味が理解しがたい
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は菜箸を持っていた。
器の中から美味しそうな匂いが広がっていた。
「うわー、良い匂い♪」
マリーは空気を読まずにそう言った。
「あら?ところで誰なの?この人達」
彼女は菜箸で料理をかき混ぜながら訊いた。
迅が前に出て言った。
「オレ達は″侵略虫″を倒すために世界を渡っている旅人です。
噂とか流れていませんか?″侵略虫″の天敵が現れたとか」
「んーーっ、訊いてないわねぇ。少なくとも私は」
「俺も訊いてねぇなぁ」
迅の問いに二人は互いに向き合ったまま答えた。
昔ならテレビでニュースが流れていたので簡単に情報が入手できたが
今は情報を遠くに発信する方法がないので、ここまで情報は来ていないようだ。
「そうですか。申し遅れました、オレは迅です。
後は左から、マリー、アスラ、ホークアイ、リオです」
「いや、俺はリディ二―クだよ!リオはあだ名!」
「そうだったな」
リオさんのツッコみに迅は笑いながら言った。
夫婦も笑いながら、それを見ていた。
「俺はこいつ等を泊めてやりたいけどな」
「私もこの人達ならオッケーよ」
妻からの了承も得たらしく
全員は改めて、ここでお世話になることになった。
「じゃあ、早速手伝ってもらうぜ?
今回は護衛もいてくれるから仕事がはかどりそうだ」
男は笑顔でついてくるように促しながら言った。
全員はとりあえず男について行った。
**********
「お?おーい、ヨセフ!遅かったな!」
遠くから男が大きく手を振っていた。
アスラ達を泊めてくれた男はヨセフと言うようだ。
「おーすまねぇな、ハビブ!つーか、まだ時間じゃねぇだろ」
「お前いつも俺より早いじゃねぇかよ。
ん、そっちの奴ら誰だ?見ない顔だが‥‥‥」
ハビブがそう訊いてきたので、ヨセフは簡潔に紹介した。
「へー、護衛係か。よろしく頼むぜ!」
「うん!」
マリーは頭に手を置かれて元気よく返事をした。
「ここの“油”は結構、貴重だからな」
「あぶら?」
マリーは首をかしげた。
他のみんなも知らないようだった。
「“油”っていうのは、特殊な製法で作られた精油の事さ。
精油ってのは、香水や昆虫の忌避剤として使われるものだ。
それを数十倍に濃縮して作り出された“エッセンシャルオイル”が
″鎧虫″にも効くってもんだから、いろいろ使われてんのさ。
金属の表面に塗っていれば、文字通りの虫除けにもなる」
ハビブは誇らしげに答えた。
「その油が″侵略虫″に狙われているから守ってほしいと」
「そう言うことさ。理解が早くて助かるぜ」
ホークアイがそう確認するとハビブはうなずいた。
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