6部分:第六章
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様」
「というと」
皆が楽しそうに話すのを見て尋ねる忠信でした。
「どうするのじゃ?」
「決まっておるじゃろう」
「決まっておる!?何がじゃ」
「おみやげじゃよ。おみやげを持って行くのじゃよ」
「ああ、それか」
言われてやっと気付くのが少し迂闊な忠信でした。
「それじゃったか」
「そうじゃよ、それでよいな」
「何でも持っていけるぞ」
山に住んでいる彼等にとっては何かを見つけることは別にどうということもないことなのです。何しろ今彼等が食べているお魚にしろ葡萄にしろ柿にしろ全部そうなのですから。だから特にどうということはないのでした。
「そういうことじゃ。それではな」
「皆で何か持って行ってな」
「あの娘を喜ばせようぞ」
「そうじゃな。それではわしも」
忠信もその話に乗るのでした。こうして今皆で立って。
「そうと決まれば話が早いぞ」
「皆で。あの娘を楽しませてやろうぞ」
こう言い合い今ちよのところに向かうのでした。一人の女の子を喜ばせる為に。ただその為に行くのでした。
人の心 完
2008・9・1
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