暁 〜小説投稿サイト〜
遊戯王GX 〜漆黒の竜使い〜
プロデュエリスト編
episode1 ーEvolution Insectー
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プロデュエリスト達が己の意地とプライドを賭けて戦う舞台、プロリーグ。そしてその闘いの場となる海馬ドームに、今日はより一層の観客が集まり、ひしめき合っている。もちろん目当ては今夜ここで行われるプロ同士の決闘を観るためである。

「レンカさん、そろそろ出番なので準備を……。」

控え室のソファで寝転がり休憩をしていたところ、ぴっちりとスーツを着こなした女性が呼びにくる。一言だけ返事をし、起き上がるとプロデュエリストの証とも言えるブラックデュエルディスクを左腕に装着し、フードを目深に被る。

「……準備ができたでしょうか?」

「えぇ」

「そうですか。では、健闘を祈ります。」

自分のマネージャー兼秘書である彼女のささやかな声援に手をひらひらと振るだけで答えるとそのまま会場へと向かう。


「さあぁ!今から待ちに待ったプロデュエリスト同士の意地とプライドを賭けた熱き闘いが今始まる!
北のゲートから登場するのは、全てが謎に包まれた、『漆黒の竜使い』の異名を持つデュエリストぉ!レンカだ!」

赤いジャケットを羽織ったMCのナレーションを聞き、ドームの中央へと設けられたステージへと進んでいく。一歩一歩と足を進める度に歓声が大きくなるのを少し煩わしく思いつつ、ようやく中央へとたどり着く。

「そして、今回の対戦相手は元全日本チャンプにして、かのデュエルキング武藤遊戯とも一戦を交えたあのデュエルリスト、インセクター羽蛾だぁ!」

MCに呼ばれ自分とは逆、南ゲートから出てきたのは、昆虫を思わせる作りをした金縁メガネをかけ、背中にこれまた昆虫がプリントされたジャケットを羽織って出てきた小柄な男がひょっひょっひょっ、気持ちの悪い笑い方をしながらこちらへと歩いて来る。

そして、自分の前に立つと上から下まで舐めるように見、いやらしい笑みを浮かべる。

「無敗のデュエリストなんて聞いていたから、ドクターコレクターみたいにもっとごつい男を想像していたけど……。なんだ、中高生くらいじゃないか。なんでこんな子供に他の奴らは負けたんだろうね〜?まさか、八百長とか不正をしていたりしてね〜。まぁ、そんなズルをしていても勝つのは全日本大会をも制したこの俺だけどね。ひょっ、ひょっ、ひょっ」

笑いながら、挑発の言葉を吐いてくる。だが、周りの歓声に阻まれマイクには拾われずレンカの耳にだけ届く。もっとも羽蛾の言うことも事実。レンカと呼ばれたデュエリストの身長は全身を覆い隠すローブを含めても160cmあるかないかくらいだ。当の本人はさして気にもせずに聞き流す。

「ちっ、無口とは聞いてたが、会話のキャッチボールすらできないのか君は?だから、最近のガキは……。」

無視された事と挑発が全くの無意味に終わり、少し腹を立てた羽蛾は舌打ちをすると、
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