四十二話:“みんな”と分史世界
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まずは借金の返済が先の話なのだが。
場面は移り変わり、ヘリオボーグ研究所の前にルドガー達は居たのだが何やら様子が可笑しい、研究所の敷地の広場にはエレンピオス兵と研究員が慌ただしく動いて、騒然としている様子が黒歌達の目に入った。
『ダメだ。完全に警備システムを抑えられてる。俺一人じゃどーにもならな―――』
『アルヴィン!』
『おっと、こりゃまた、いいタイミングで』
ジュードが一体ここで何が起きているかを知り合いの研究員に尋ねている時に聞き覚えのある声を聞いて振り返ると案の定、知っている人物だったために驚きの声を上げる。アルヴィンもまた、かつてジュードと旅をした仲間の一人であるのだ。
本来であれば再会を喜ぶところなのだがそんな暇はなくジュードとアルヴィンは研究員から詳しい話を聞く。現在ヘリオボーグの研究所はアルクノアに制圧されており、施設の中には、ユリウスと親交があるというバランとリーゼ・マクシアの親善団体が取り残されているらしい。それを聞いたルドガーはすぐさまに救出に向かおうとするがアルヴィンに呼び止められる。
『ルドガーだっけ? これはアルクノアのテロだ。俺、元アルクノアなんだけど、信用してくれるか?』
その事実に驚く、黒歌達。蛇の道は蛇というので心強い助っ人であることには変わらないのだが信用できるかと言われると悩むところだ。しかし、今までルドガーと過ごしてきた黒歌達はルドガーが何と答えるかは既に分かっていた。
『信用するよ』
あっさりと信用するルドガーに面食らうアルヴィン。しかし、黒歌達はルドガーの反応に驚くことは無かった。特に黒歌はルドガーという人物はテロリストだろうが犯罪者だろうが関係なく信用してくれることを、身をもって知っている。
『なるほど、ジュードの友達って感じだな』
『エル、こういうのをツンデレっていうんだぞ』
『ツンデレ? よくわかんないけど、アルヴィンがおかしいのはわかった』
『おたくら、緊張感なさすぎ!』
少し皮肉気味に返すアルヴィンに対してルドガーは特に意にかえさずにエルとおしゃべりをする。そんな二人にアルヴィンが思わずツッコミを入れるとルドガーは思わずニヤリと笑う。そんなルドガーにアルヴィンはしてやられたなという顔をする。
今のはルドガーがアルヴィンに自然体で接して貰う為にワザとふざけてみせたのだ。この時のアルヴィンは嘘をつきたくないが為に不器用な発言をしてしまっただけなのだが、それに何となく気づいたルドガーなりの気づかいである……というのは建前で元々こんな性格のルドガーなのだ。
『状況を確認しよう。バランさんと見学者が閉じ込められているのは?』
『開発棟の屋上付近かと』
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