四十二話:“みんな”と分史世界
[7/15]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
『ローエン、何を!?』
ローエンが精霊術を行使してブラートのメンバーを焼き殺してしまったのだ。その事にローエンをよく知るジュードとレイアは驚いて叫び、ルドガーはエルに残酷な光景を見せない為にエルを引き寄せるが、ローエンはそれに対して皆の仇を討つためにエレンピオス人を皆殺しにすると言い、エレンピオス人であるルドガーとエルにサーベルの切っ先を向ける。その瞬間ローエンの姿は以前列車の中でユリウスが変化したのと同じ黒い禍々しい姿へと変化を遂げる。
『違うこの人は……』
『ローエンじゃない!』
その後、ルドガーとジュードとレイアでローエンを退け、戦いの終盤で突如、ルドガーの意志に関係なく発動した骸殻で止めを刺す。すると列車で見たのと同じように槍の先には歯車らしきものが付いており、それが砕けると同じように世界も砕けていった。
ルドガー達が、気がつくと元の場所に戻っており、ローエンに殺されたはずのブラートのメンバーがルドガー達を血眼になって探している最中だった。そしてルドガー達を見つけると先程のルドガー達が消えるという不可解な現象を精霊術と決めつけ、若干尻ごみをしながらもルドガー達に銃を突きつけて来る。
そんな様子に戦わないことは出来ないと、覚悟を決めてルドガーはエルを庇うように前に出る。そんな時だった―――
『そこまでだ』
裏路地に良く通る、威厳に満ちた声が響き渡り、ブラートのメンバーの後ろから黒いコートに身を包んだ赤い眼の男がローエンと共に現れた。
「ま、また死んだ人が出て来たですうぅぅぅっ!」
「でも、幽霊の類じゃありませんわね。あの人達はきちんと生きていますわ」
先程から連続して死んだ人間が出てくることに恐れをなして叫ぶギャスパーの頭を朱乃が撫でて宥めるが朱乃自身も不可思議な現象に首を傾げるばかりである。
『なんだ、貴様ら―――』
ローエン達に気づいてブラートのメンバーが拳銃を向けるがその拳銃は男が長刀を使い、瞬く間に器用にも相手を傷つけないようにしながら吹き飛ばしてしまった。そんな様子にゼノヴィアは同じ剣士として手合わせしてみたいと思うが、ここは記憶の中だと気づき肩を落とす。
そんな間に男はブラートの一人に長刀の切っ先を首に突き付けてアルクノアがなぜ、源霊匣の素材を集めているのかを聞き出し、それが終わると刀を納めてブラートのメンバーを逃がした。
『一朝一夕にはいかんな』
『この街は、リーゼ・マクシア人への反発が特に根強いようですね』
二人は逃げるブラートのメンバーの背中を見ながら、これから解決していかなければならない問題の難しさを実感していた。そんな時、ルドガーの後ろに隠れながら恐る恐るといった感じでエ
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ