四十二話:“みんな”と分史世界
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ドヴォールに向かう途中、猫ユリウスと話していたイバルからハンマーを手に入れたルドガーはレイアの知り合いの情報屋であるジョウからブラートという民間自治組織がアルクノアに源霊匣の素材を流しているという情報と、路地裏に“魔人”が出るという情報を得ることに成功した。ルドガーはもしかしたら魔人の正体はユリウスかもしれないと考え、路地裏へと向かった。しかし、そこにいたのは―――
『動くな、Dr・マティス』
『ジュード!?』
『アルクノアからあんたの身柄確保も依頼されているんだ』
魔人ではなく拳銃をジュードの背中に押し付けてきたブラートのメンバーだった。ジュードが反抗しようと声を上げた所で他のブラードのメンバーが現れルドガー達は袋小路に追い込まれてしまう。
ルドガーはこのままではジュードは連れ去られ自分達は殺されてしまうと判断してブラート達の意識を逸らすためにルルの尻尾を踏みつけて叫び声を上げさせる。ルルの叫び声に驚いたブラートの注意が逸れた一瞬の隙を見逃さずにジュードは銃を突きつけていた男を突き飛ばす。しかし、その弾みで男は拳銃の引き金を引いてしまう。
『きゃああっ!』
裏路地に響き渡る銃声にエルが驚いて悲鳴を上げる。その瞬間あたりの景色が何かに飲み込まれるかのように歪んでいく。黒歌達はこの光景と同じものを列車でも目撃していたので今度はそこまで動揺せずにどこか雰囲気の変わった裏路地を歩くルドガー達について行く。
すると先程のようにブラートのメンバーが近づいて来てジュードの背中に拳銃を突きつけようとするが今度は事前に察知していたのでジュードは素早く相手を拘束し相手の自由を奪う。
『あなた達やアルクノアが、僕を憎む気持ちはわかります……でも、源霊匣は信じてください! あと一歩で実用化できるんです!』
拘束していた相手を開放しながら必死に説得するジュードであったが、その必死の説得は通じずに、再び先程と同じように袋小路に追い込まれてしまう。しかし、万事休すかと思われた矢先に突如として空から短剣が三本程降ってきて光の線を結んでブラートのメンバーの動きを封じる。
『危ない所でしたね』
『ローエン!』
ジュードとレイアはかつて共に旅をした白髪の老人の姿にもう大丈夫だとホッと胸を撫で下ろす。そしてエルの誰? という質問に対して何でも知っている頼りになる人と答えるとエルは『カナンの地』を知っているかもしれないと期待を込めてローエンに聞く。その言葉にブラートのメンバーはリーゼ・マクシア人を皆殺しにしてやりたいなどと叫び、ジュード達に改めて人と人が分かり合う難しさを教える。そんな時―――
『……同感です』
『ぎゃあああっ!?』
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