四十二話:“みんな”と分史世界
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人間が死んでいないという今までの謎が一気に解けるのだ。
『拡散って……まずくない?』
『放置すると、どうなるんですか?』
ビズリーはその質問に無言で花のつぼみをむしり取り、一気に握りつぶす。その様子に碌な事にはならないのだろうとルドガー達は固唾をのんでビズリーの言葉を待つ。そしてビズリーは少し、苦々しげな顔をしてルドガー達に答える。
『この正史世界から、魂が消滅するだろう。当然、人間も死に絶える』
世界の滅亡が着々と進んでいるという驚愕の事実に実感の湧かないルドガー達だったがビズリーに確固としたものではないが証拠を上げられて否応なしに信じることになる。そしてビズリーはクランスピア社の隠された仕事を、真実をルドガーに教える。
『クランスピア社は、世界を守るため、密かに分史世界を消し続けてきたのだ』
『世界を消すなんて、どうやって……』
『まさか!?』
ルドガーには思い当たる節があった。いつも分史世界に入った時に自分が変身していた、エルに怪物みたいと言われてへこむ姿こそが世界の消すために必要な能力なのではないかと考え、ビズリーの方を見る。そのことにビズリーは満足げに頷いて再び口を開く。
『そう……ルドガーは既にこなしている。ルドガーの変身……“骸殻”こそ、分史世界に侵入し、破壊する力なのだ』
『世界を壊す力……』
ルドガー達はこれで今まで自分達が経験してきた謎の現象の正体を大まかではあるが理解することが出来た。ルドガーは自分の力の壮大さにまだその恐ろしさを感じることが出来なかったがここで自分がすべきことは理解した。
「世界を、パラレルワールドを壊すのが本当の骸殻の使用目的だったのね。……通りであれだけ圧倒的な力が出せるわけだわ」
「ヴィクトルが言っていた世界の破壊者っていうのはこの事を言っていたのかよ……」
骸殻の圧倒的な力の理由に気づき思わず身震いをするリアス。世界を壊す程の力なのだ。通りで何も出来ずに自分達が負けるわけだ。次元が違いすぎる。そしてイッセーはヴィクトルが言っていた言葉を思い出し、その意味の一部を知る。しかし、彼はまだ知らない、世界を破壊するという本当の意味を。
黒歌達が骸殻についての考察をしている間に話は進んで行き、結局ルドガーは分史対策エージェントになることを決め、ビズリーの手を取った。そして、ジュードが最後に分史世界の生まれる理由を聞く。
『ある者が糸を引いているのです』
『カナンの地にすむ大精霊……クロノス』
ヴェルとビズリーの発言に驚くルドガー達、大精霊が糸を引いているというのも驚きだが何より、エルの目的地である『カナンの地』という言葉が出てきたことにエルがやる気をみなぎらせて
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