四十二話:“みんな”と分史世界
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て空から声が聞こえて来た。
『カナンの地は、魂を浄化し循環させる聖地よ』
『ミュゼ!』
『こんにちは、ジュード』
ミュゼは次元を切り裂く力を持った大精霊でかつてはガイアスと共にジュード達に立ち塞がったことのある人物だ。勿論今はそんなことはないのだが。因みにかなりグラマーなボディをしているためにイッセーが鼻の下を伸ばしていたが直ぐに小猫からボディブローを入れられてノックダウンしていた。そんなミュゼはジュードに驚くべき情報を言い渡した。
『ミラが、いなくなっちゃったの』
『ミラが人間界に来てるの!?』
『そのはずだけど……会ってないのね』
ジュードはミュゼの問いに無言で答える。ミラとは精霊の主である、ミラ=マクスウェルの事なのだが、魂の浄化に問題が起きたと言って精霊界を飛び出してきり連絡が取れないらしい。その事を知り動揺するジュードを残してミュゼはミラを探すと言い残して大空へと姿を消していった。その後、別行動をとっていたローエンとレイアに合流するがジュードの顔は晴れなかった。その事が黒歌達にジュードにとってのミラの存在の重要性を伺わせた。そしてここで場面は移り変わる。
『待っていたよ、ルドガー君』
場所はクランスピア社の社長室でビズリーがルドガー達を待ち構えている場面だった。ルドガーはここに来る前、ヴェルからのユリウスを目撃情報があったという連絡を受けイラート海停という場所に行ったのだがそこで会ったのはユリウスではなく、ユリウスに手加減されていたにも関わらず負傷した数人のエージェントだった。そこでルドガーはユリウスが解析した“分史世界”データのコピーを受け取りビズリーに渡しに来たのだ。
「分史世界……何か重要そうな言葉ね」
ヴァーリが呟くようにこれは今後のルドガーの旅路に大きく関わる内容なのだがそれはすぐに明かされることになるだろう。何故ならビズリーはその為にルドガーを呼び寄せたのだから。
『さて、君にいい知らせと悪い知らせがある。どちらから聞きたい?』
ルドガーからデータを受け取るとそんなことを言い始めるビズリー。そんなビズリーに対してルドガーは少し悩んでから、どうせなら悪い方から先に聞いた方が、後が楽だろうと考えて悪い方からでと言う。
『警察が、ルドガー様を公開手配するようです』
『はあっ!?』
驚愕の声を上げるルドガーに対して黒歌達はその不幸を憐れむ。初出勤の日に痴漢冤罪をかけられて無職になり、その数分後には列車テロに自分の意志とはいえ巻き込まれ、気を失って目が覚めてみれば2000万ガルドの高額な負債を負うはめになり、極めつけは公式な指名手配だ。
なにがどうなったらここまでの不幸が重なるのか
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