四十二話:“みんな”と分史世界
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まだ誰も知らない。
エリーゼと合流したところで事件の事情を確認し合い、学校の生徒を逃がすためにバランが囮になって開発棟の上に残っているという情報を得たのでルドガー達はエリーゼに案内を頼む。とそこで雷が鳴り響きエルが小さな悲鳴を上げる。
『雷……怖いんですか?』
『べ、別に!』
そんなエルにエリーゼが心配して話しかけるが、エルは怖くないと強がる。そんな様子にルドガーは思わず微笑んでしまうが、さらに大きな雷が鳴り響き、エルが大きな悲鳴を上げたことで状況は一変する。列車やドヴォールのように世界が歪み変わってしまったのだ。その事に警戒しつつルドガー達は所内を用心しながら進み目的地である屋上に到着する。するとそこには電気を放つ不気味な球体のような物が存在していた。
『また変なのだ!』
『源霊匣ヴォルト!』
『ビリビリするやつだよー!』
『……制御も出来ないのに!』
ヴォルトに対して対峙した経験があるのかジュード達が警戒する中、突如としてヴォルトが周囲に雷撃を放ち、それに巻き込まれたルルが悲鳴を上げて気を失ってしまう。
『ルル!』
『よくも…ルルをっ! うおおおっ!!』
ヴォルトの攻撃により瀕死になったルルの元に涙ながらに駆け寄るエル。そしてルドガーは大切な家族を傷つけられた怒りで怒号を上げながらヴォルトに斬りかかる。そこにアルヴィン、ジュード、エリーゼが援護に入り、何とか源霊匣ヴォルトを撃破することに成功する。
そして最後は今までと同じようにルドガーが骸殻になり歯車の様な物体を破壊して世界は砕けていく。一同は気がつくといつの間にかヘリオボーグ研究所の一階に傷ついたルルと共にいた。
『ルル、しっかり!』
『大丈夫、任せてー』
傷ついたルルに近寄りエリーゼが回復術を唱える。その横でエルが必死にルルに呼びかけ、そのエルにはティポが励ましの言葉を贈る。そして懸命な治療の結果、ルルは―――
『ナァ……』
『ルル!』
傷の回復が終わり、無事に目を覚ますことが出来た。そのことに優しいアーシアは記憶の中であるにも関わらず自分の事のように喜びを表していた。ルルも無事に治ったのでルドガー達は何が起きたのかを分からない状態ではあるがバランを探すために屋上に行く。そこでは先程の戦闘の痕がまるで戦闘など始めからなかったかのように無くなっていた。
そのおかしさに疑問を抱きながらも取りあえずバランが無事に出て来たので源霊匣ヴォルトやユリウスの情報を聞くがどちらも情報を得ることは出来なかった。最後に痕跡だけでもと思ってユリウスがどこかに行くかなどを言ってなかったかをジュードとエルが聞いていると突如とし
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