四十二話:“みんな”と分史世界
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うが残念ながら今ここにはいない。
この時のルドガーとしてはそこまでトマトに拘りがあるわけではなく、自分を励ましてくれたこの少女に恩を感じているために好き嫌いくらいは、子供の内はいいだろうと思っているだけなのだが黒歌達にはそんな思いは伝わらない。
黒歌達がルドガーのロリコン疑惑について話し合っている間にルドガーがスープを作り上げてエル達の前に並べていく。そしてルドガーの料理を食べたエルは大満足の表情を浮かべて声を上げる。同時にジュードも彼の料理を絶賛する。しかしジュードは迂闊にも地雷を踏んでしまう。
『プロ並みの味だよ、ルドガー。コックをやってみたらどうかな?』
『ああ、そうだな。それでまた初出勤の日にテロに巻き込まれて無職に戻るんだな』
『あ…その…ごめん……』
『いいんだ。俺が自分から飛び込んだんだから気にするな』
口ではそう言いながらも再び崩れ落ちて床にのの字を書き続けるルドガーにジュードは慌てながら元気づけようとするが全くその効果はみられない。そんな様子を見ながらエルはルルに話しかける。
『ルル、ルドガーってタマにめんどうくさいね』
『ナァ〜』
それからしばらくしてからルドガーが復活したところで改めてエルにどうして『カナンの地』を目指しているのかを聞くと自分を逃がすために悪い奴らに襲われた父親を助けて欲しいと願うために目指しているという事だった。
三人と一匹がそんな話をしている所で普通であればこんな民家には訪れないであろう人物、ビズリーが現れて突如天井からサングラスを着けた男をルドガーにけし掛けさせる。ルドガーはその男に蹴り飛ばされてしまうが、ジュードはその男と顔見知りということもあり、あっさりと後ろに回り込んで押さえつけてしまう。
『イバル……』
「変わった奴だな……」
ジュードの発言により名前の分かったイバルに対してイッセーが変な奴だと胡散臭そうな目線を向けるが、ビズリーはイバルの様子が面白かったらしく笑いながら彼を雑務エージェントに任命した。イバルは複雑そうな顔を浮かべながらもビズリーに礼を言う。
そんなビズリー達にジュードが食って掛かるが、ビズリーに状況を確認するように言われてヴェルがつけたテレビを見て、そこでユリウスが今回の列車テロの首謀者として全国に指名手配されたことを知ると同時にイバルから全く似ていないユリウスの手配書を見せられて愕然とする。
『違います! ユリウスさんは―――』
『あの状況で斬りかかった男が無実だというのかね?』
『警察は複数の共犯者がいるとみて、関係各所を検索中です』
『当然、君は最重要参考人だ、ルドガー君』
イバルが今度はもう片方の手に、相も変わらず似ていないルド
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