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IS インフィニット・ストラトス〜普通と平和を目指した果てに…………〜
number-27
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私を助けたの? 自分でもあの時の私はとっても酷い有様だったのに助けたの?」
……何年前の話だろうか。正直言ってそのころは小学生だったはず。それでも蓮も周りから浮いていた。どうして束を助けたのだろうか。
「よく覚えてないけど、多分、見ていられなかったんだと思う」
「……どういうことかな?」
「まるで自分を見ているようで。もう少し時間が過ぎてたら自分もあんな感じになっていたのか。そう思ったのさ」
「……同族嫌悪」
「ああそうだな。そう捉えてもらっても構わない。何せあの時の俺はまだ小学生だったんだ、自分と似たような境遇にいたお前を見ていられなかったんだ。だから、束を助けることで自分は最底辺じゃない、まだ下にはいるんだ。自分よりも落ちこぼれたやつがって」
「……」
「愉悦に浸りたかったのかもしれない。まったく何を考えていたんだろうな、俺って。これを聞いて幻滅したと思う」
「…………ううん、そんなことないよ。むしろホッとしてる。れんくんも人だったんだ、って。ただの善意で助けられていたら、私はこのまま死んでしまおうと思ってたぐらいだもん。そんなことなら助けてくれなかった方がましだ―とか言って。だって、善意ほど痛いものはないから」
そう言って蓮の腕に抱きつく束。もともと近かった距離を詰めて、蓮に身を預ける。
「やっぱり私たちって似た者同士だった」
「全くだ」
「似た者同士だったから、心の底から繋がっているって思えるのかな。……ちょっと違うかな。誰よりも分かっているけど、誰よりも分からないことが多いのかな」
「…………? なんだかよく言っていることが分からないが、哲学染みているな」
「ふふふっ、分からないなら分からないでいいんだよ。君が分からないことは私が教えてあげるし、私が分からないことは君が教えてくれる。そんな関係じゃないの? 今の私たちって」
「……違いない」
蓮の肩に頭を預ける。お互いにお互いを一番感じられている時間だった。
こうやって身を寄せてくる彼女がどうしようもないぐらいに愛おしい。
こうやって黙って体を貸してくれる彼がどうしようもないぐらいに愛おしい。
……ここに誰か第三者がいれば口をそろえてこう言うだろう。
――――狂ってる、と。
◯
次の日。臨海学校二日目。
この日はISの整備訓練と飛行訓練が主な内容となっている。だが、それは一般生徒の身に限った話であって、専用機持ちと篠ノ之箒だけは千冬によって人目のつかない入り江に呼ばれていた。
一夏と箒を除く代表候補生たちはどうして専用機持ちでもない箒がこの場に呼ばれているのか疑問に思っている。それは箒本人もそうであった。何か思い当たる節があるわけもなく、どこか居心地の悪さを感じなが
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