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IS インフィニット・ストラトス〜普通と平和を目指した果てに…………〜
number-27
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もあってもいいのかもしれない。
 ふと視線を降ろすと束の胸元はサイズがあっていないのか大きな胸の谷間を隠せていなかった。下手をすればその奥まで見えてしまいそうだった。束に悟られないように蓮はそこから視線を外した。


「私たちってかなり深い仲なのにお互いのことよく知らないなぁって思ったから、これを機に色々と話し合おうって思って」
「……そういえばそうだな。でも何を話すんだ?」
「そうだなあ。……じゃあ私のことから話すね。実は私、学校の先生になりたかったんだ」
「……束が? へえ、それは意外だな」
「む、絶対笑っているよね?」
「笑ってない」
「本当かなぁ……? まあいいか。それでね、どうして先生になりたかったかというと、自分が幼いころから周りとは違っていて、それを化け物を見るような目で見ていた親のせいなんだよね」
「なんだそれ、叛骨心か」
「そうかもね。大人は嫌い。けれども、子供は嫌いじゃなかった。誰かに教えてみたいってもともと思ってたから、そうなると先生が丁度よかったんだ」
「……」
「大人の世界で自分を殺して生きるよりは、子供に振り回されるぐらいがいいんじゃないかって。……まあ、結局はその夢の自分の手でぶち壊しちゃったけど」


 普通だった。稀代の天才で十年に一度の逸材とまで言わしめた彼女は普通だった。どうして今のように変わってしまったのかは分からない。けれども、夢を自分の手では壊していないと蓮は思う。


「でもそれならISを作らなければよかった。そうすれば、自分の夢を壊すこともなく生きて行けたかもしれないのに」
「……私も考えた。でも宇宙に行きたかったんだよ。もともと大学では天文学を専攻しようとしてたから。空が好きな先生……なんだかミステリアスでいいでしょ?」
「ああ、そうだな」
「でも、あの腐った大人どもは認めようとしなかった。それどころか、私の発明を横取りしようとしやがったんだ。そこまでされてようやくわかったんだよ、この世の中には自分の居場所はないって。だったから、篠ノ之束という人物の有用性を認めさせようとすることで頭がいっぱいになっちゃった」
「だからあの事件を起こしたというわけか」
「そう。その後は言わなくても分かるよね? すぐに君に出会うことが出来たんだから。……私の話はお仕舞い、ほら次はれんくんだよ」


 と言われても蓮は何を話せばいいか分からなかった。どんなことを話せばいいのだろうかと考え込む。


「ああそうだ。どうして俺が、ISの操縦訓練と学校の勉強を両立させたかでいいか?」
「うーん……言われなくてもなんとなくわかる気がするんだよね。あれでしょ、負けたくなかったとかそんなところでしょう?」
「うっ」
「ほぉーら、図星。じゃあ私が質問をしてあげよう。……どうして
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