ワールド・カタストロフ〜クロスクエスト〜
Round《8》〜ゴッド・アンド・マリア〜
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受け取れ」
そう言って少女が手を振ると、まるで手品のようにその懐から失われたはずのタツの剣が出現する。再び己の手中に戻ってきた剣は、確かに頑丈になっているようだった。
あり得ない。
鍛治の神たちが総力を結して作り上げた、神界に二つとない神宝を、『つくりが粗い』と断じるなどと。
それはつまり、世界中の歴史に喧嘩を売るのに等しい。
「シェイド様、コイツは何なんですか? 跪きもせずに斬りかかってくるなど」
「まぁまぁ、落ち着いてアーニャ。タツ君は強いんだよ。君を試そうとしたんじゃないのかい?」
「ふぅん。確かにステは高そうですね。でも装備がもろいなぁ……ああ、もしかして《原典由来》なのか。なるほど、それなら異常に高いポテンシャルともろさの釣り合いが取れない理由が分かるな……おい、お前。これからは武器をもらったら自分で一回作り直せ。オリジンの神々は考えが古すぎて装備が脆い。お前は優秀らしいから、オリジンにもらった武器をアレンジするのが一番強いぞ。自作はむしろ駄目だな。シェイド様の剣みたいに脆くなる」
「うあーい、さりげなく落とされたー。そんなに僕の武器って雑魚いかな……」
「ひどいですよ。まず重心からしておかしいじゃないですか」
何を言っているのか、さっぱり理解できない。いや、会話の内容は理解できるが、端々が。
聞いたこともない言語が飛び出す。タツには無いはずの、『無知』が、そこに在った。それはタツにとって度し難い事態であり、ただひたすら頭にくる出来事であり。
「……何なんですか、貴方たちは」
問わねばならぬ、既知にせねばならぬ『未知』であった。
「……そうだな……今後の友好のために、詳しく名乗ろうか。レギオン《白亜宮》が玉座、《主》の《惟神》、《クリフォト》が第二席。《不存在存在》のアスリウ――――『二番』、アスリウ・シェイド・マイソロジーだ」
「その契約者。レギオン《白亜宮》『女王』ガラディーンが触覚、レギオン《弾丸の詰まった銃》第百八十九席、八代早紀。貴様の海馬に我が名、叩き込め」
そう、堂々と宣言して。
アスリウとアーニャは立ち上がった。
「じゃぁね、タツ君。次は決勝だ――――存分に時間稼ぎを、よろしく頼むよ」
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