ワールド・カタストロフ〜クロスクエスト〜
Round《5》〜アクセル・ダンス〜
[2/5]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
つの理由は、クロエの能力。電子空間に直接干渉する《電子干渉》の能力は、彼女の放ったあらゆる攻撃を必中にすることすら可能だ。そもそもそれを散々避けまくった、彼女の一戦前の対戦相手、ランの方が異常であり、普通は避けることすら許されずに、なすすべもなく銃弾に貫かれてジ・エンドだ。
にもかかわらず、今だクロエの攻撃はリオンにあたっていない。
実際のところ――――クロエは、リオンが銃嫌いだ、という事を知っていた。そもそも今回のデュエル大会で、対戦相手の事を調べてきていないプレイヤーなど存在しないだろう。大会開始前は【???】と表記されていた二人のプレイヤー…リオンと対戦した片方は、回線切断によって失格となったが…を除けば、全員の情報を調べ上げてきているのが常だ。逆にリオンがクロエの事を調べてきていない、というのはクロエにとって予想外である。
そしてクロエは、今回――――一つ、公平な試合をするための指示を受けていた。
即ち。
「いいか。《電子干渉》の必中は絶対に使うなよ」
『……分かってる』
《錆びた銃》に《変身》したクリスが、クロエに向かって言う。
そう、今回の試合。唯でさえ不利なリオンに、此処にクロエが必中まで使ってしまっていては、話が全くさっぱり面白くない。故に、クリスはせめて必中能力だけは使わないようにしろ、と指示していたのだ。
クロエには《心剣》という銃以外の武器も存在しているのだが、それよりは二丁銃の方が使い慣れている。リオンには悪いが、これにはクリスも口出ししなかった。
クロエだけなら何の容赦もなくリオンを吹っ飛ばしただろう。だが、クリスがいたからこそ、今この試合は、
クロエが乱射する。
リオンがひたすら避け続ける。
――――このように、一方的ではあっても面白くなっているのだ。
クロエとクリスが、二人で一人であることの証明であった。
さて、とにかく逃げ回るリオン。すでに此処まで生きていられるという事自体が奇跡に近いのだが、もちろんリオンとて諦めるほど往生際は悪くない。
レベルは現在の参加者の中では恐らく一番低いだろう。
だが、それであるが故に、リオンには様々な技能があるのだ。
踊るようにクロエの銃撃を回避する。ステップを踏むように、くるり、くるりと。
そして投げる。取り出した片手剣に、《ヴォーパル・ストライク》を乗せて。次に抜きはらったレイピアに、《フラッシング・ペネトレイター》を纏わせて。最後に投擲用ナイフに、《投剣》ソードスキル、《シングル・シュート》と、シノンのユニークスキル《射撃》の《エク
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ