仲間の背中
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なデュエルで戦いたかったよ・・・」
HPを確認すると、ダメージが継続しており今にも尽きてしまいそうだった。
『俺もここまでか・・・』
シオンは再び空を見る。上空に輝く星にその手を伸ばす。
「ほんと、遠いなぁ・・・」
近くて遠いその存在に幼い頃彼は憧れた。昔、聞いたことがある。
『ねぇ。あの空の先には何があるの?』
『さぁな、何もないんじゃないか?』
『そうなんだ・・・』
『だが・・・だからこそ、人は憧れる。人は海に憧れ船を作り、空に憧れ飛行機を作り、そして宇宙に憧れロケットを作った・・・。人はいつだって未知なる世界や目標とすべきものに憧れる』
『僕にもなれるかな?』
『どうだろうなぁ〜、それはお前の努力次第だ。お前の努力次第でお前の回りにはいろんな人が集まってくる、そうなれるように頑張れよ〜』
『うんッ!』
それから数年経った今、彼はその憧れに手を伸ばしている。
「なぁ、俺は、誰かの憧れになれたかな?」
それを最後にシオンの意識は途切れた───
〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜
『朝田さん、僕が、僕が守るからね・・・』
夜道を歩く新川恭二は朝田詩乃の家へと早足で向かっていた。
そしてその道のりである公園を横切っているとき───
「やぁ、こんばんわ」
車椅子に乗った青年に出会った。髪は白く、年は少し上くらいだろうか・・・
「いい夜だね♪」
「は、はぁ・・・」
「こんな夜には星を見るに限る」
青年は空を見上げそう呟いた。恭二は何のことか分からず、そのまま去ろうとした。
「あの僕、急いでるのでこれで・・・」
「朝田詩乃のことかい?」
「ッ!何故彼女の名前を!!」
「ほう、図星か。あんたの相棒はもっと頭がよかったぜ?」
「お前、一体何者なんだ・・・?」
「お前を叩き直す存在さ」
青年は意味深な笑みを浮かべ、恭二はその表情が気に入らなかった。
「そうか、君が、僕の、朝田さんを・・・!」
『お前の、ねぇ・・・?』
「シオンッ!」
「ッ、朝田さん・・・」
公園の入り口にはシノンこと、朝田詩乃が来ていた。
「待ってて、朝田さん。今、邪魔な奴を片付けるからッ!」
「それってもしかして懐の入っている劇薬でかな?」
「何故それを?」
「また図星。お前、こういう駆け引き苦手だろ?」
青年こと雪羅は呆れた顔で言う。
「うるさい!いいから答えろッ!」
「ったく、自分の都合の悪いようになったらキレる。まったくもってナンセンスだ。で、なんだっけ?ああ、そうか理由な。この
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