仲間の背中
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る。ザザは刺剣を突き刺そうとするが直前でかわされ足をとられ蹴りをくらう。
休むこと無く続く二人の激しい攻防戦、その光景に映像を見ているギャラリーは湧きに湧いていた。
「どうよ、ザザ!久しぶりに本気で闘う気分は、よッ!」
「フン、中々、悪く、ないッ!」
「ああ!俺もだッ!!」
二人は自然と笑みがこぼれていた。この状況、この勝負を誰にも譲れない。そんな考えがシオンの頭にはあった。
『こんな楽しいバトル、誰にも譲れねぇッ!』
「これで、終わりだッ!」
「その言葉、そのまま返すぜ!!」
二人は同時に地面を蹴り、突進する。
「くらえッ」
「貫けッ!」
同時に衝突、衝撃が辺りに伝わる。
刃は身体に突き刺さり、赤色のエフェクトが迸る。
「終わりだ・・・」
ザザは俯き加減のシオンにそう言った。
「俺の、勝ちだッ!」
しかし、シオンはこれを待っていたかのように叫ぶ。
「捕らえたぞッ!」
「ッ!」
ザザの腹部に光剣が貫かれたのはその直後だった。
「グッ!」
「ま、だぁああああッ!!!!!」
シオンはM945を抜き取ると、残りの弾を全て撃ち込んだ。木霊する銃声、ザザのHPは残り数ミリまで減少した。
「これで、終わり、か?なら、俺の・・・」
「まだだ!」
「ッ!」
シオンは大きく息を吸い込み、ありったけの声で叫んだ。
「アリアァあああああッ!!!」
その人物は塔の頂上で目を光らせていた。
「待ってたよシオン!」
アリアが構えていたNTW-20かつてアンチマテリアルライフルの中では最強と詠われ、今では取引禁止とされ、こう呼ばれている。
Vidhwansakと───
「お前、自分の身体を擲ってまでッ!?」
「言っただろ?『命に変えても』って、今の俺は・・・《戦士》だ!!」
「刻みなさい、破壊者の風穴をあなたの胸に!」
アリアが引き金を引くと、周辺はとてつもない衝撃波と轟音に襲われた。
破壊力をもった弾丸はザザとシオンもろとも貫き、そこには大きな風穴が空いていた。
二人は地面を転がり、砂漠の大地に倒れた。
『俺は、敗けた、のか・・・』
ザザは薄れいく意識の中でそう思った。
自分はシオンに敗け、今まさに横たわっている。
『不思議だ、敗けた、はずなのに・・・』
そう敗けたはずなのに、ザザの心は不思議とスッキリとしていた。
「悪くない、気分だ・・・」
それを最後にザザの意識は途切れた。《DEAD》の表示が出ると、シオンは空に浮かぶ星を仰いだ。
「楽しかったぜ、ザザ。お前とは、もっと純粋
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