仲間の背中
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戦士というのは「兵隊」とは180度異なる。
兵隊は上官に命令されるまま動く(命令がなければ動けない)が、戦士は男であれ女であれ、自らの意志で、自らの信じるもののために自発的に行動する。彼あるいは彼女はどのような挑戦も障害も乗り越えて目的を貫く。
戦士は彼もしくは彼女が信じていることのために耐える強さをもつ。信じるものを守るために正直に話し、行動する───
〜ショウニー国チーフ テクムシェの教え〜
その心に信じるのは正義か、悪か───
〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜
キンッ、ガッ───
しばらく続く金属音、それは吹き荒れる強風の中でもはっきりと聞こえていた。
そして金属音の混じる銃声も。
「そらッ!」
「ッ!」
シオンとザザの交戦は激化の一途を辿っていた。ザザが攻めれば同様にシオンも攻め、両者ともに隙を見せない闘いを繰り広げていた。
「何故だ、何故、そこまでして、闘う・・・?」
「あ?」
ザザはシオンに攻撃を繰り出しながら問う。
「おまえは、何も、護れない。にも、拘らず、おまえは、剣を、振る。おまえは、何のために、闘っている?」
ザザの問いに対してシオンは少し間をおいてからこう答えた。
「・・・おまえ、言ったよな?俺は誰も護れないし、救えないって。確かにそうだ、俺は誰かを護れるほど強くねぇ・・・。だけどなぁ・・・」
シオンは真っ直ぐに前を見据えた眼で言った。
「こんな俺でも大切な奴の背中は護ることはできる!」
「フン、ほざけッ!」
ザザは刺剣をシオンに突き刺そうとするが、シオンはそれをかわし、ザザの顎に拳を叩き込む。
「グッ!」
「オラッ!」
浮き上がったザザの身体をシオンは回し蹴りで蹴り飛ばす。
「俺が仲間の背中を護り、その仲間が俺の背中を護ってくれる。俺はそれだけで充分闘えるし、心強い。だから、この居場所だけは誰にも譲らねぇ!この命に変えても!」
「クッ・・・」
「ザザ、お前には無いか?誰にも譲れない何かが?」
「俺は・・・お前を、倒す。俺の、手で・・・」
ザザの仮面は口元で砕けており、その口元は笑みを浮かべていた。
「そうか、それだけあれば・・・」
それはシオンも同じだった。
「充分だ!!」
二人は弾かれるように飛び出した。ぶつかり合う剣は火花を散らし、シオンがコルトガバメントを放とうとするもザザはそれを手で止め、コルトガバメントを奪い、放つ。
シオンはそれを頬スレスレでかわし、ザザが奪い取ったコルトガバメントを破壊する。
続けざまに拳を繰り出すも止められ、背負い投げという形で地面に叩きつけられ
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