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大神桜絵巻
第5巻 村出発と最初の冒険
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は前よりやや中性的になり、狼のときにあった隈取のような若干変わった模様が描いてある。めだたない程度に……って。

「なんじゃこりゃああああああ!!!」

アマ公とイッスンから気の毒そうな視線がーやめてーなんか精神にダメージくるからー!!

っていうか。17歳男子に狼耳と尻尾って誰得ですかー!!!これ絶対コスプレだよー!!町歩けねぇぇぇぇぇぇ!!

俺が絶望に打ちひしがれてる間にイッスンがさっきの筆神の説明をはじめた。こうなったら開き直ってやる!!

「さ……さっきの筆神様は、草花を操る花神の一人、咲ノ花神だァ!」

「……どんな筆業の神様なんだ?」

「……聞いた話じゃ花神が司る桜花は、枯れ木に丸を描くだけで忽ち花を咲かせたって言うけど……」

「丁度いいじゃねぇか!アマ公、早く塞の芽を復活させようぜ!」

「わん!」

アマ公が丸を描くと一瞬で木は花で満開になる。
すると……

「うわぁ!!」

木を中心に風がぶわっと吹き抜ける。草花がすごい勢いで咲き乱れていく。
泥水だった水は澄み渡り、花咲谷に命が戻っていく。

とても綺麗な光景にただぼーっと見ほれてしまった。
さっきまでの絶望も忘れ、幸玉が溢れて体に入ってくるのも気付かないくらい。

「フェ〜ッ。アッと言う間に草木が生え揃ったァ」

イッスンの言葉でようやくはっと我に変える。
あーすげぇもん見れた。あんなん元の世界じゃ絶対見られないからなー。

イッスンが、ここの賽の芽を戻せたのなら神州平原のもと言っている。
そっか、またあの光景が見れるのか……そう思うと嬉しくなる。

「ま、復活した花咲谷をゆっくり見てまわってから行っても良いんじゃねえか?」

「それもそうだなァ」

「わふ!」

俺達の花咲谷見物が始まる。



と、今日はここで時間切れみてぇだな。

じゃ、またな。




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