第5巻 村出発と最初の冒険
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サノオは逃げ、熊はハリセンの音にびっくりして球から落ちて寝てます。
熊の乗っていた球を調べると中に葉が入っており、イッスン曰く祭礼用の宝玉かもしれないそうだ。そういえば壁画にも球が描いてあったな。
というわけで、アマテラスと絶賛球転がし中だ!
アマテラスがとっても楽しそうでかわいいです。癒しですねアマテラス。
祭壇まで球を運ぶと下から水が噴出し、球を浮かす。
「なるほど、こりゃ凝った趣向だなァ。あの壁画に描かれていた玉はこれの事かィ!」
「壁画の通りってんなら後は太陽当てれば何かが起きそうだな。アマ公早速やってみようぜ!」
「わん!」
祭壇から空が見えるようになっていた。谷間に昇る太陽を神として崇めてたんだろうとイッスンが言う。
そしてアマテラスが谷間から見える空に太陽を出す。
すると祭壇にある緑の球が光を集め、その光は小さな木の芽に当たる。
木の芽はぐんぐん伸びていき立派な木になった。でも花はつけてない。
大きくなっても枯れてちゃ……と思っていると辺りが急に暗くなる。
空を見上げる。
「あ、星座だ。今度は……んー、猿……かなぁ?」
とても分かりづらい。アマテラスが星を書き足し、出てきたのは白く赤い隈取した猿。
くるくるとすげー回転してびしっとポーズを決めてた。はっと気付いて正座して姿勢を正す。なんか面白い奴だ。
笙って言う、そうだな……パイプオルガンの笛?バージョンみたいな楽器?を持ってる。
「おお……我らが慈母アマテラス大神。物の怪に憑かれ封ぜられたる我が身を、御許の通力にて救い賜り誠に恐れ多く候。いざこの花神、全霊を尽くして、御許の旅路に花香を捧げ奉らん」
そう言って、花と書かれた球になりアマテラスに入って行く。これで新しい筆業が使えるな!そう思った時だった。
「お、おい兄ちゃん!また体が光って――」
何か目の前が真っ白になったがすぐに視界が戻るも、あれ?
「に、兄ちゃんかァ?」
「はぁ?俺以外に誰がいんだよ?んーなんか視線がやたら高い気が――」
下を見ると何やら人の手が……って人の手!?
顔を触っても人の形、服は変わった蒼い着物だけど……ええーーーー!!
「俺、人間に戻ったー!!」
「い、いや、兄ちゃん。言いづらいんだが、完全には戻れてないぜェ……」
「それはどういう意味――」
今まで狼の姿だったので違和感がなかったが、後ろに人間にはないものがあった。はっとして頭を触る。
「ま、まさか……」
近くの水溜りで自分を見る。
真っ白な長い髪、顔の両サイドの毛は赤い紐で括られてある。そして頭頂部からひょこっと狼の耳が出てる。目は蒼い。俺は日本人だったはず。黒髪黒目、髪は短かった。
顔
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