第二話 『学園生活』
[3/3]
[8]前話 [9]前 最初 [1]後書き
の人間ってば、手柄欲丸出しじゃない。
「それから、悪いニュースが入ってきました」
声色を変えて、フレンダがそういってきた。
「内容は?」
「はい。情報部からの報告なんですが、 アルメニア共和国の暗殺部隊が、東京へ向けて出発したとの情報が入ってきています」
それはまた物騒な話だ。この平和な日本に暗殺部隊とは。まあ、平和な日本にPMCの兵士が居るのもほとんど同じことなのだが。
「そいつらの目的は?乗っている飛行機や人数は?」
「今のところ目的はわかっていません。搭乗機や人数もまた不明です」
さすがは暗殺部隊、簡単には情報を明かさないか。
「……了解したわ。そっちもそっちで、出来るだけ水際で防げるように対処してね」
「はい!頑張ってくださいね!……あ、もうこんな時間!」
時計を見ると、既に10時を回っていた。
「すいません。そろそろ帰宅時間なので失礼しますね」
「分かったわ。それじゃ、明日も頑張りましょう」
机に置いていたイヤリングを手に取り、
「それじゃおやすみ」
はい!おやすみなさいアリスさん」
その言葉を聞き終えると、通信機の動力を切った。
フレンダの言う通りだ。ここで迷ってはいられない。今日は今日、明日は明日。アルメニアの話もあるし、気を抜くわけにはいかない。しかし、なぜアルメニアなのだろうか……。あそこは一応治安が安定していて、わざわざ暗殺部隊を派遣して諸外国からの批判を受ければ、株価は暴落、ロシアからの支援も断たれてしまう。そうなってしまえば、国家自体が崩壊する可能性もある。アルメニアのような小さな国ならあり得る話だ。だとすれば、恐らくバックに大きな力が働いているはずだ。でもいったい何処が……。まあ、考えていても仕方がない。私の任務は対象の護衛。暗殺部隊の裏をとることではない。私は、私の任務を遂行する。それが私の、たったひとつの生き甲斐なのだから。
「さて、私もそろそろ寝ようかな」
そう呟くと、部屋にともされていた淡い光をおとした。
[8]前話 [9]前 最初 [1]後書き
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ