第二話 『学園生活』
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はあ〜。任務初日から疲労困憊だよもう」
あのあと、合計28もの質問を投げ掛けられてしまい、一時間ほどの時間を費やした。「特技はなに?」「その髪って染めてるの?」「どこで日本語教わったの?」「彼氏はいる?」などの質問をぶつけてきなのでもう面倒くさくなってしまい、「運動は基本的に得意ですよ」「いえ、地毛ですよ」「うちの会社…じゃなくて学校で日本語を専攻してたんです」「いないし、要りません!」という風に適当に答えておいた。あえて最後は強調しつつ。
それだけで終わればよかったのだが、クラスの半数を占める男子どもの異常なアプローチ、下駄箱には大量の手紙、しまいにゃ体育館裏に呼び出され、初めて会った人からいきなりの告白。今日だけで何回ファイブセブンを抜こうとしたことか……。
「でもまあ、対象は確認できたし、多少なりとも接触も出来たからよしとしますか」
などと一人で反省会をしていると、
「本当に大変でしたね〜アリスさん」
とフレンダが無線越しに話しかけてきた。そういえば、イヤリング型無線機を切らずに机へ置きっぱなしだった。
「フレンダ。私、この任務無理かも……」
と、病んでいるニートのようにイヤリングにむかって話しかける。
「まあまあ、そんなこと言わないで頑張りましょうよ。私も全力でバックアップしますから」
「むぅ〜」
などとタコになっていると、フレンダがいきなり話題を変えてきた。
「あ、そんなことより、アリスさんが開発部に製造を依頼していた拳銃、完成したらしいですよ」
「えっ!本当に!?」
いきなりのことだったので、驚きと喜びで少し大きい声を上げてしまった。
「本当ですよー。明日か明後日には、そちらに届くと思いますよ」
「そっかー、完成したんだ」
少し説明しよう。製造を依頼していた拳銃というのは、私が半年ほど前に設計したオリジナルの拳銃で、口径は9o、ダブルカラムマガジンを採用、装弾数は17+1、バレルはフリーフローティング方式を採用、サプレッサー装備可能、ライフリングは6条右回り、とまあなかなかの注文をつけたので、時間はかなりかかると思っていたのだが、半年ほどで完成までこぎ着けるとはうちの開発部は優秀だ。
「それで、どんな名前になったの?それ」
「ちょっと待ってくださいね」
そう言うと、通信越しにガサガサ、ゴソゴソと紙をいじっている音が聞こえた。
「あ、あったあった。名前は、Fenlil M2 P(フェンリル エムツー プロト)だそうです。申請が完了したら、プロトの部分をアリスさんの名前にするそうです」
「なにそれ、すごく恥ずかしいんだけど」
人名を付けないでよバカ。って言うか、フェンリルって言うロゴははどうしても入れたいのね。上層部
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