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魔法少女リリカルなのはINNOCENT 〜漆黒の剣士〜
第13話 「終盤……だけど」
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くんはわたしがもらってまうで」
「――っ、べべ別に我はショウのことなど何とも思っておらん!」
ズキッ! という音が胸に響く。
わけもない。これまでこのようなやりとりはたくさんあったのだ。いちいち反応してはきりがない。
だからディアーチェ、俺の反応を窺うな。小学生達は目を輝かせたり、恥ずかしそうに顔を赤くしながらも聞きたいなってアピールはやめろ。
「とまあ、ふざけるのはここまでにしよか。これ以上は王様だけやのうて実況さんからも怒られかねへんし……行くで!」
気合の声と共に、はやての顔がのほほんとしたものから凛としたものに変わる。これは本気で来る! と思った次の瞬間――
「ショウくん、わたしの気持ち受け取って〜♪」
――満面の笑みで放たれたボールは、実にふわ〜という効果音が似合うほどゆっくりとしたものだった。魔力が込められているようにも見えず、ただ投げただけとしか言えない。
俺は静かに右手で漆黒の愛剣を抜き放ち、肩の高さで構え限界まで引き絞る。今放とうとしている魔法は、炎熱変換も同時に掛かるため集束される魔力が深紅色に変化する。
「え、ちょっ……!?」
はやてが慌てたように声を漏らし、身振り手振りで落ち着けと訴えてくる。だが俺は止まりはしない。
前後に大きく開いていた両足で思いっきり地面を蹴り、生じた加速を回転力に変化。背中を経由させて右肩に伝え、回転を再び直進運動に変える。
魔法名《ブレイズストライク》。
ガードの固いセイクリッドタイプであろうと確実にダメージを与え、時として戦況を一撃で決め得るほどの威力を誇る魔法だ。真紅の魔力刃が刀身の約2倍ほどまで伸びるため、片手直剣にはあるまじき射程距離を誇る。限界まで伸ばされる右腕のリーチを含めれば、長槍型さえも凌駕する射程になるだろう。
撃ち出した剣は、深紅の奇跡を描きながらボールを直撃。ふわりと飛んできていたボールは、まるでジェットエンジンで加速されたかのように爆発的に速度を増し、慌てふためくはやてへと向かう。
「うご……!」
腹部に赤い彗星が直撃したはやては盛大に吹き飛び、転げ……仰向けの状態で力なく寝転がる。心優しい小学生達はそんな彼女に近寄り、代表してヴィータが彼女を抱きかかえた。
「はやて!」
「…………みんな……あとは頼んだで……ガク」
直後、ヴィータの声がこだまする。
何やら俺が悪役の空気になりつつあるが、どう考えてもあそこで死に逝く仲間を演じている馬鹿のせいだよな。本当に気絶する奴は「ガク」なんて言わないし。
もしかしてあいつ、今の演技をするためにわざと受けたんじゃ……そう考えると、あいつのいい様に動かされた感じがして癪に障るな。見ている人間は楽しんでいるだろうが。
『さすが《漆
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