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魔法少女リリカルなのはINNOCENT 〜漆黒の剣士〜
第13話 「終盤……だけど」
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 アリシアの実況に補足説明を行うと、互いにバック権を1回ずつ残しており、サーブを行うのは俺だ。
 さて……誰を狙うか。
 定石で考えれば、経験値の少ないバニングスか月村を狙うべきだ。より可能性を高めるならば、防御力に劣っていそうなバニングスを狙うべきだろう。
 だがこれまでの流れを見る限り、ディアーチェがシュテルのために膳立てを行っている節がある。加えて、俺は今回ダークマテリアルズのおまけとして参戦している身だ。
 あいつは別にそんなつもりはなかったんだろうが、全力じゃなく少しは楽しめと言われた以上、ここはあの小狸を狙うべきだよな。さっきから構ってアピールしてて少しウザいし。

「いやん、そんな見つめられたら恥ずかしいやないか」
「はやて……あんた余裕ね」
「はやてちゃん、何だかショウさんの機嫌がどんどん悪くなっていってるように見えるんだけど」
「大丈夫、大丈夫。ショウくんは一見冷たいように見えるけど、優しい性格をしとるんや。それに照れ屋というか、素直に感情表現せんところがある。何よりわたしとショウくんの仲や。何も問題……」

 話している途中で投げるのもどうかと思ったが、ああもベラベラとナチュラルに馬鹿にされては苛立ちもする。年齢で言えばはやては小学生だが、ああ見えて大卒の社会人だ。俺は中学生なのだから何も問題あるまい。
 俺はボールに魔力を込めつつ鋭く放つ。本来ならば高町のように急加速や旋回を取り入れたり、シュテル達のように集束や属性を付与して攻撃力を上げるところだ。が、俺は一刻も早くあの小狸の口を閉じたかったので、あえて直進するだけのボールを放つことにした。
 俺の魔力を吸い込み黒い閃光と化したボールは、迷うことなくはやてへと突き進み直撃。彼女のオーバーとも言えそうな悲鳴がコート内に響いたのは言うまでもない。コート内に居たバニングス達が心配の声を上げるが……

「ぐす……わたし、傷もんにされてもうた。もうお嫁に行けへん」

 などと、小狸はしっかりとボールを抱き締めながら泣き真似をする。チラチラとこちらの反応を窺ってくるのが実に癪に障る。

「おい、誤解を招くようなことを言うな。身も心もお前は健康だろう」

 今小学生から《乳魔人》、《わがままボディ》と呼ばれる連中の耳に入ったらどうするつもりだ。あいつらは主LOVEなんだぞ。下手したらボコボコにされるだろうが。

「何を言うとるんや。今のでわたしのハートは……ショウくんに撃ち抜かれてもうたんやで」
「えぇい、いつまで小芝居をするつもりだ! さっさとボールを投げぬか!」
「大丈夫、安心してや王様。わたし、王様のことも好きやで」
「誰がそんなことを申せと言った! 我はボールを投げろと言っておるのだ!」
「もう素直やないなぁ。そんなんじゃショウ
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