暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのはINNOCENT 〜漆黒の剣士〜
第13話 「終盤……だけど」
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ばかりではなく、少しは楽しんだらどうかと思いまして」
一応俺は全国ランキング1位さんと同等の実力があると評価されているし、本人からもライバル扱いされている。ついこの間始めたばかりの小学生相手にそれは……、と思ったりもした。だが
――確かにシュテルの言うとおりかもな。あの子達はシュテル達の力を目の当たりにしても、屈することなく立ち向かい続けている。成長の早さから考えて、きっと近いうちに強敵となって目の前に現れる違いない。
俺達デュエリストは、切磋琢磨して更なる高みを目指す存在だ。彼女達が目指したいと思う高みを示すことも先輩としての役目ではないだろうか。
……いや、あれこれと理由を並べるのはよそう。
俺はディアーチェ達からシュテルと似ていると言われることがある。普段は否定しているが、デュエリストとしての想いや思考に関しては似ているところが多いのも事実だ。彼女達が向かい風の中でどのように羽ばたいてくるのか、俺も見てみたい。
「ふふ……」
「何だよ?」
「別に何でもありませんよ」
そう言ってシュテルは、静かに微笑みながら俺の元から離れて行く。
訳が分からない……わけじゃないけどな。俺はあいつと同じデュエリストなんだから。シュテル、ありがとな。
ロケテストに参加したことで、俺はどこか遠慮してしまっていたのかもしれない。
自分は一般の人よりも先輩なのだから教える立場なのだと。いきなり強い力を見せてしまうと萎縮してしまう人々がいるのではないかと。
力を持つ者には責任が伴う。
アニメや漫画でも時折耳にする言葉だ。それらに出てくる力に比べれば、俺の持つ力なんて微々たるもの。はたからの評価なんてゲームが上手い中学生といったものだ。
だがそれでも、俺は力を持っている。見る者に憧れや興奮を抱かせることくらいはできるはず。
目立つことは正直に言って苦手だ。だがすでに俺はアリシア達のせいで充分に認知されてしまっていることだろう。ならば開き直って純粋にゲームを楽しんだほうが得策と言えるだろう。
そう思う一方で、もしかすると嫉妬や恐怖のような感情を抱かせるかもしれないという想いはある。だが俺は神ではなく、ひとりの人間。ただのデュエリストなのだ。全ての者から好かれるわけがない。
思考する間にもデュエルが進む。進むに連れて俺の脳内はクリアになっていき、ロケテストの時に抱いていた感情だけが残った。
……そう、俺はただのデュエリストだ。テストプレイヤーだったからどうこう……、なんて考える必要はない。ただ、ひたむきにデュエルに挑むだけだ。
『さあ、デュエルも終盤に入ってきました。現在、コート内に残っているのは混ぜっこチームがアリサ選手にすずか選手、そしてはやて選手。対するDMSはディアーチェ選手とショウ選手です!
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